「インバウンド・観光関連」モノ消費からコト消費へのシフトを解説

訪日外国人観光客の消費パターンが、物の購入中心から日本文化体験や高品質サービスを楽しむ方向へと変わってきました。
 
この背景には、SNSの普及による「友人と共有できる体験」の価値向上と、外国人旅行者が日本独自の伝統文化や生活様式に触れたい願望があるのです。
 
一方で、日本旅館など潜在的な魅力を持ちながらも十分に活用されていない観光資源も数多く存在し、サービスの付加価値を高めることや利便性向上が課題となっています。
 
本記事では、2025年に4000万人を超えると予測される訪日外国人観光市場において、「体験型消費の拡大がもたらす新たな投資チャンスと、マーケットを支えるスタートアップ企業の動きについてご説明します。
 

インバウンド観光「モノ消費」から「コト消費」へのシフト

 

モノ消費とコト消費の違い

モノ消費とは、「物理的な製品や商品の所有」に価値を見出す消費の形態を指します。
 
一方、コト消費は「体験や経験」から満足を得る消費行動です。
 
モノ消費では物を持つこと自体が目的となりますが、コト消費では感動や思い出といった精神的な充足感を重視します。
 
例えば、高級時計を買うより、思い出に残る旅行を選ぶといった価値観の変化が見られます。
 
物質的な豊かさが達成された現代社会では、このような体験型の消費が注目を集めているのでしょう。
 

世界的なトレンドと日本市場における変化

世界的には、国際観光客数が2024年にコロナ禍以前の水準にほぼ回復し、2025年にはさらに成長すると予測されています。
 
日本では、2025年に訪日外国人旅行者数が4000万人を超える見込みであり、この数字は過去最高を更新する勢いです。
 
また、中国や韓国からの訪日客が増加している一方で、欧米やオーストラリアからの旅行者も回復傾向にあり、様々な国からの観光需要が広がっています。
 

インバウンド観光市場の現状分析

 

訪日外国人観光客の消費動向の変化

観光庁の調査によれば、宿泊費や飲食費といった体験を重視した消費が全体の割合で高い位置を占めています。
 
具体的には、中国や韓国からの訪日客はテーマパークや娯楽施設への支出が増えており、「食事を楽しむ」「遊びを体験する」「心身を癒す」といった体験型の消費が伸びてきました。
 
一方、欧米からの訪問者は質の高いサービスや長期の滞在を好む傾向があります。
 
そのため、日本の伝統工芸を実際に作ってみるワークショップや、地元の食文化を体験できるプログラムなどが人気です。
 

コロナ前後での消費パターンの比較

2023年に日本を訪れた外国人観光客の消費総額は、過去最高となる5兆2923億円を記録しました。
 
内訳を見てみると、宿泊費や体験を重視した消費が増えている一方で、買い物にかける金額は減少傾向にあります。
 
具体的には、宿泊施設での支出の割合が2019年の29.4%から2023年には34.6%まで上昇しました。反対に、お土産などの買い物代は34.7%から26.4%へと減少しています。
 
とりわけ欧米やオーストラリアからのお客様は、短期間の旅行よりも長く滞在し、質の高い高額なサービスを求める傾向が強くなっています。
 

外国人観光客が求める「日本での体験」の具体例

 

日本文化の深堀り:茶道、書道、着物体験が人気の理由

茶道では、一杯のお茶に込められた「おもてなし」の心が多くの人を引きつけています。
 
また、質素でありながらも深い美意識である「わび・さび」(完璧ではない美しさを尊ぶ考え方)も人気の秘密と言えるでしょう。
 
最近では抹茶スイーツの広がりによって、茶道への関心がさらに高まっている傾向があります。
 
書道において、注目を集めているのは「和様」と呼ばれる日本独自の書き方です。
 
外国人の方々にとって「読める書」は新鮮な印象を与え、日本語を学んでいる方々にも取り組みやすいことから評判が良いようです。
 
着物体験の魅力は、様々なデザインや幅広いサイズ展開にあります。
 
浅草などの観光地で着物を着ると写真が映えることから、SNSをよく使う若い世代からも支持を得ています。
 

地域密着型観光の魅力:地方でしか味わえない文化と自然体験

地域に根ざした観光は、その土地ならではの自然環境や大切に受け継がれてきた文化を体験する機会を提供します。
 
これにより、観光客は単なる名所巡りでは得られない深い満足感を味わうことができます。
 
また、地域の住民との交流や昔からの生活文化に触れ合うことは、訪れた人に忘れられない思い出を残し、何度も訪れたいという気持ちを生み出すでしょう。
 
国が認める「日本遺産」の地域では、地元の歴史や文化を活かした町おこしが活発に行われています。
 
こうした例では、地域に住む人々と訪れる人が一緒になって伝統や自然を楽しむことで、地域の魅力が新たに見直されるとともに、長く続けられる観光の形が生まれています。
 

高付加価値サービスとしての温泉・高級旅館の役割

訪日外国人観光客は、日本独自の文化や伝統を体験したい願望を持っており、旅館や温泉はそうした期待に応える施設となっています。
 
温泉地の静かな環境や伝統的な建築様式、そして「おもてなし」の心は、他の国では味わえない特別な体験を生み出しています。
 
加えて、高級旅館では個人専用の空間や特別な料理、日本の伝統文化体験などが豊富に用意されており、裕福な層が求める質の高いサービス提供が可能です。
 
観光庁の調査によると、訪日外国人旅行者の70%が日本旅館に泊まりたいと希望しているにもかかわらず、実際の利用率は55%にとどまっています。
 

今後注目すべきインバウンド需要に応えるスタートアップ企業

2024年以降、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)の数はコロナ禍以前を大きく上回る水準まで回復しました。
 
また、2025年には大阪で国際博覧会も開催される予定です。
 
このような状況から、海外からのお客様に便利さや魅力的な体験を提供するサービスが今まさに求められています。
 
以下は注目すべきスタートアップ企業の事例です。
 

NutmegLabs Japan株式会社

観光のデジタル化(DX)を推進するプラットフォーム「Nutmeg」を提供しています。
 
観光事業者は予約・決済から現場業務までをひとつのシステムで管理できるクラウドサービス(SaaS)を利用可能です。
 
特に「デジタルマップ機能」を活用することで、業務の効率化と訪日客の満足度向上に貢献しています。
 

Deeper Japan

訪日外国人向けに日本の伝統文化体験をオンラインで予約できるサービスを展開中です。
 
少人数制で質の高い体験にこだわり、地方自治体や地元事業者と協力して地域の活性化にも役立っています。
 
これらの企業は情報通信技術(ICT)や独自のビジネスモデルを活用し、外国人観光客の体験価値向上や消費拡大に寄与しています。
 

まとめ

インバウンド(訪日外国人)観光は「モノ消費」(買い物中心の消費)から「コト消費」(体験や経験を重視する消費)へと明確に変化しています。
 
2023年の訪日外国人消費統計によると、買い物代の割合が34.7%から26.4%に減少した一方で、宿泊費や体験型のサービスへの支出が増えているのです。
 
茶道や書道などの日本文化体験、地元の人々との交流を楽しむ地域密着型観光、高級旅館などの質の高いサービスへの需要は今後さらに高まることが予想されます。
 
こうした訪日観光市場の急成長は、観光関連ビジネスに参入するチャンスです。
 
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