【観光業界の現状と将来性】 コロナからの復活と新サービスを解説

一方で、人手不足やデジタル化の遅れ、環境負荷といった構造的な課題に直面しており、これらの解決が今後の持続的な成長への鍵です。
本記事では、課題に対する新サービスや取り組みを紹介しながら、観光業界の将来性を解説します。
コロナ後の観光業界の復活状況

日本人の国内旅行者数は過去最高水準
国土交通省のデータによると、2024年1-3月期の国内旅行者数は約1.1億人を記録し、コロナ禍前の2019年同期と比較して113.0%増となっています。2024年4~6月期の調査では、1人当たりの旅行支出が2019年比で21.5%増加し、とりわけ宿泊旅行では25.3%増と顕著な伸びを示しています。

外国人観光客が急速に増加中
インバウンド需要の回復を最もよく示しているのが、訪日外国人観光客数の急増です。2024年10月には訪日外国人数が331万人を記録し、単月として過去最高を更新しました。

この好調な観光需要を背景に、訪日外国人による消費額も過去最高を大きく更新し、2024年上半期だけで約2.1兆円を記録しています。

出典:国土交通省|観光の現状について
観光産業が現在直面している4つの問題

問題点1.深刻な人手不足の現状
観光業界における人手不足は、以下の要因が絡み合って深刻化しています。- 賃金水準の低さ
- 労働環境の厳しさ
- 高い離職率
コロナ禍で一度離職した労働者の多くが他産業へ流出している現状が、この問題をさらに加速させている状況です。
具体的には、観光業の賃金水準は他産業と比較しても低く、一般労働者では年間約130万円、短時間労働者では時給で約270円もの格差が生じています。
この待遇面での格差が、若年層を他産業へ転職させてしまう要因でしょう。
長時間労働や休日の少なさが常態化していることに加え、非正規雇用者の割合が高いことから、安定した雇用環境の整備が立ち遅れています。
問題点2.繁閑期の売上格差への対応
繁閑期の売上格差は、観光施設や宿泊事業者における収益の安定性を大きく損なっています。繁忙期にはリソース不足が発生しやすく、一方で閑散期には施設や人材が遊休状態となり、効率的な経営が難しくなるためです。
この影響は、雇用環境やサービス品質の低下としても表れています。
実際、多くの観光施設では、繁忙期の売上が閑散期の2~3倍に達することが一般的です。
アウトドア施設やイベント型観光地では、この傾向がよく見られ、季節変動による収益の不安定さが経営上の課題となっています。
問題点3.景気の影響を受けやすい産業構造
観光は贅沢品としての性質を持つため、景気後退時には真っ先に削減される支出項目となりやすいです。自然災害やパンデミックなどの突発的な外的要因にも敏感で、それらが直接的に観光需要を減少させる要因となります。
具体的な例が、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響ではないでしょうか。
世界的な移動制限や日本国内での緊急事態宣言の発令により、観光需要は打撃を受けました。
宿泊業では、2019年同月比で7割以上の予約減少が報告されています。
問題点4.観光による環境負荷と地域への影響
観光客の急増は、地域の自然環境や住民生活に様々な問題が発生しています。典型的な例が富士山での観光問題です。
夏季の登山シーズンには、一日に数千人もの登山者が訪れ、捨てられたゴミや排泄物による環境破壊が深刻化しています。
このような環境保全の課題に対応しつつ、持続可能な観光を実現するため、次の章では観光業界による革新的なサービスの取り組みを紹介します。
観光業界の課題を解決する新しいサービス

自宅で楽しむオンライン観光ツアー
オンライン観光ツアーは、移動が難しい人や時間的制約のある方々に、新しい形の「旅行体験」を可能にしました。高齢者や身体的な制約のある方々でも気軽に参加できるだけでなく、実際の旅行と比べて大幅なコスト削減が可能です。
さらに、物理的な移動を伴わないため、環境負荷の軽減にも貢献しています。
最新のバーチャルリアリティ(VR)技術とライブ配信を組み合わせることで、臨場感あふれる旅行体験を実現できるのが魅力です。
参加者は自宅にいながら、まるで実際に現地を訪れているかのような感覚を味わえます。
また、現地ガイドとのリアルタイムな対話は、従来のデジタルコンテンツにはない魅力ではないでしょうか。
スマホで便利な観光案内サービス
スマートフォンを活用した観光案内サービスは、リアルタイムでの情報提供により、旅の体験をよりスムーズで充実したものにしています。このような観光案内サービスの主な特徴と利点は以下の通りです。
リアルタイムな情報提供:観光スポットの混雑状況や天候情報など、現地の最新情報をその場で確認できます。
パーソナライズ機能:AIやビッグデータを活用し、旅行者一人一人の興味や好みに合わせた観光スポットやプランを提案
多言語対応:外国人旅行者向けに多言語で情報を提供し、言語の壁を克服します。
利便性向上:予約・決済機能やGPSナビゲーションにより、スムーズな旅行行動を実現します。
これらのサービスは、旅行者の利便性向上だけでなく、地域や観光事業者にも大きなメリットです。
その土地ならではの体験型プラン
地域固有の文化や自然を活かした体験型観光は、「その土地でしか味わえない」本物の経験を提供し、観光客の深い思い出と満足度を生みやすいです。また、SNSでの発信力も高く、リピーターの獲得にもつながりやすいため、差別化戦略として有効でしょう。
現代の旅行者は、単なる観光地訪問だけでなく、地域文化や自然との深い関わりを求めています。
海外旅行や国内旅行を手掛ける(H.I.S.)の成長性は?
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東南アジアを中心としたグローバル市場の開拓や、デジタルトランスフォーメーションの推進により、事業基盤を着実に強化しています。
その成長を牽引する代表例が、ロボットによる省人化運営で注目を集める「変なホテル」です。

「変なホテル」は、2015年に長崎県佐世保市のハウステンボスに第1号店をオープンし、その後全国や海外に展開を拡大しました。
このホテルの特徴は、ロボットによる接客や先端テクノロジーを活用した運営で、「変わり続けること」をコンセプトとしています。
実際に、同事業は効率的な運営モデルと独自のブランド価値により、2024年には前年同期比で営業利益1016%増という飛躍的な成長を達成しました。
また、AIを活用したリアルタイムの航空券・ホテル予約システムを実現し、月間利用者数が順調に増加するなど、着実な成果を上げています。
まとめ
観光業界は、コロナ禍からの力強い回復を見せています。国内外の旅行需要は2019年水準を上回り、2024年の国内旅行者数は約1.1億人と過去最高を記録するまでに成長しました。
近年では、バーチャル技術による海外観光地のリアルタイムツアーや、AIを活用したパーソナライズド観光案内など、従来にない体験を提供するサービスが生まれています。
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