株式投資の配当とは?初心者向けにわかりやすく解説

「株式投資をしてみたいけど、配当って何だろう?」そんな疑問を持つ投資初心者も多いのではないでしょうか。
 
結論から言うと、配当とは企業が株主に利益を還元する仕組みです。
 
今回の記事では「配当の基本的な概念」から「実際にいくらもらえるのか」「受け取る条件」「支払い時期」「税金の扱い」まで詳しく解説しています。

さらに、配当金の受け取り方法についても触れています。
 
本記事を読めば、株式投資における配当の仕組みを理解し、投資の意思決定をサポートする手段として活用できます。

これから株式投資を始めようと考えている方は、まず配当について学んでいきましょう。
 

配当とは、企業利益の株主還元

配当とは、企業が株主に利益を還元する方法の1つで、株主が企業に投資したお返しとして配当を受け取ることができます。
 
企業にとっては株主への感謝のあらわれで、株主にとっては投資の成果を実感できる仕組みとなっています。
 
会社法では、株主が利益配当を請求する権利が定められています。
 
株主は、自分が持っている株式の割合に応じて利益の還元を受ける権利を持っているのです。

また、配当は企業の業績や財務状況を反映するため、投資家が企業の価値を判断する指標の1つになっています。
 
配当にはいくつかの種類があります。

通常の決算時に行われる普通配当のほか、特別な利益がある場合の特別配当、会社の記念すべき年に行われる記念配当があります
 
ただし、配当は企業の業績や方針によって変動するため、必ず行われるものではないことにも注意が必要です。
 

配当金はいくらもらえる?

株式投資における配当金の金額は、投資する企業や保有株数によってことなります。
 
一般的に年間数百円から数万円程度の範囲で受け取ることができるでしょう。
 
配当金の金額は、企業の業績や配当政策、投資家の保有株数などの要因によって決定されます。

企業は利益の一部を株主に還元する形で配当を行いますが、その金額や頻度は企業によって異なります。
 
配当金の具体的な計算方法は、1株当たりの配当金に保有株数を掛けることで算出されます。
 
例えば、1株当たりの配当金が100円で、100株保有している場合、配当金は10,000円となります。

日本の上場企業の平均配当利回りは約2%程度とされており、これを基に概算することも可能です。
 
日本の大手企業であるトヨタ自動車の場合、2023年3月期の年間配当金は1株当たり260円でした。

仮に1,000株保有していた場合、年間260,000円の配当金を受け取ることができます。
 
一方で、新興企業や業績が不安定な企業の場合は、配当金が少額であったり、無配当の場合もあります。
 

配当をもらうためには、株主名簿の登録が必須

株式投資で配当金を受け取るには、「権利確定日」の日付を押さえておく必要があります。
 
なぜなら、企業が配当を支払う対象を明確にするため「権利確定日」に株主名簿に登録されていることが、配当をもらうための条件だからです。
 
ここで注意したいのは、実際に株を買う日です。

権利確定日の3営業日前、「権利付最終売買日」と呼ばれる日までに株式を購入する必要があります。

これは、株式の売買には約定日から3営業日後に受渡しが行われるという「T+3決済」という仕組みがあるためです。
 
※T+3決済とは:(有価証券取引において、約定日(取引が成立した日)から3営業日後に決済(受渡し)が行われる方式です)
 
「権利付最終日に買えば十分ではないか」と思われるかもしれません。

しかし、実際には権利確定日に間に合うよう、権利付最終日までに購入を完了しておく必要があります。
 
権利付最終日の翌営業日、つまり「権利落ち日」に購入してしまうと、残念ながら権利確定日には間に合わないのです。
 
具体例を挙げてみましょう。

3月期決算の企業の場合、通常3月31日が権利確定日となります。

この場合、3月27日(営業日の場合)が権利付最終売買日となり、この日までに株式を購入しないと配当をもらえない可能性があります。
 

配当金は権利確定日から約2〜3ヶ月後に受け取れる

配当金とは、企業が株主に対して利益の一部を還元するものです。

通常、権利確定日から約2〜3ヶ月後に受け取ることができます。

なぜこのような期間が必要なのでしょうか。

まず、企業は決算を行い、その結果を確定させます。

多くの日本企業では、3月末に決算を行います。

次に、株主総会を開催し、配当について正式に決議します。

これは通常6月下旬に行われます。

その後、実際の支払いまでには、さまざまな事務手続きが必要になるからです。

例えば、株主の情報確認や振込先の準備などがあります。

これらの手続きを経て、7月から8月にかけて配当金が支払われるのが一般的です。

このように、配当金の支払いには一定の時間がかかりますが、それは企業が慎重に手続きを進めているためです。

株主の皆さまに正確かつ確実に配当金をお届けするために、このような流れになっています。
 

配当金にかかる税金は原則20.315%

配当金は所得として扱われるため、通常20.315%の税金がかかります。
 
ただし、確定申告の方法によっては、税負担を軽くできる可能性があります。
 
具体的には、所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%が自動的に差し引かれ、これを源泉徴収と呼びます。

源泉徴収されるため、通常は確定申告をする必要はありません。
 
しかし、確定申告を行うことで
「配当控除」という制度を利用できる場合があります。

配当控除とは、二重課税を防ぐために設けられた制度です。
 
例えば、年間の課税所得が330万円以上695万円未満の場合、総合課税を選択すると配当控除により実質的な税率が17.2%になります。
 
また、株式を売却して損失が出た場合は、申告分離課税を選ぶことで、損失と配当金を相殺できます。

これを損益通算といいます。
 
配当金に対する課税は一律ではなく、個人の状況によって最適な方法が異なります。
確定申告の方法や特定口座の利用、NISA(少額投資非課税制度)の活用など、さまざまな選択肢があります。

 

配当金の受け取り方法は4つ

配当金を受け取る方法は主に4つあります。

これらの方法は、投資家の状況や目的に合わせて選べるようになっています。

一般的に最も便利で効率的とされているのが、
株式数比例配分方式です。

この方法はとくに、NISA口座を使っている方や、配当金をすぐに再投資したい方に向いているでしょう。

ただし、人それぞれ投資のスタイルや管理の好みが違いますから、最適な方法も人によって異なります。

自分のニーズに合った方法を選びましょう。

これらの受け取り方法が導入された背景には、2009年1月の株券電子化があります。

この変更により、投資家の皆さんの利便性を高め、配当金の管理をより効率的にすることが目指されました。
 

まとめ

今回は、株式投資における配当を解説しました。
 
配当は企業が株主に利益を還元する手段であり、その仕組みや意義を理解することは投資戦略を立てる上で欠かせません。
 
配当金額は企業の業績や財務方針により変動します。

受け取りには、権利確定日に株主名簿に登録されていることが条件となり、通常はその2〜3ヶ月後に支払われます。
 
配当には20.315%の税金が課されますが、確定申告により税負担を軽減できる場合があります。
 
受け取り方法は以下の4つから選べます。
 
 
投資を始める際は、配当に関する知識を深め、自身の投資目標に合わせた戦略を立てることをおすすめします。
 
配当を通じて企業の成長に参加し、長期的な資産形成を目指すことで、より効果的な投資が可能になるでしょう。
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