電気自動車(EV)市場の将来性とは?最新技術の進化を解説

EV(電気自動車)は、従来のガソリンエンジンの代わりに電気モーターで走行する自動車です。
 
バッテリーに蓄えられた電気を動力源とし、走行時に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないため、地球温暖化対策の切り札として世界的に注目を集めています。
 
しかし、高額な初期費用や充電インフラの整備不足、充電時間の長さといった実用面での課題が、日本市場における普及の障壁です。
 
本記事では、これらの課題に対する最新の技術革新や市場動向を踏まえながら、客観的な視点で解説します。
 

電気自動車(EV)はどのくらい売れているの?

 

日本ではどのくらいの人が電気自動車を買っているの?

電気自動車(EV)の市場は着実に成長を続けているものの、依然として内燃機関車(ICE)が新車販売の大半を占めている状況です。
 
2024年最初の9ヶ月間における日本の乗用車EV販売台数は約25,000台で、市場全体の1.32%にとどまっています。
 
同様に、軽自動車におけるEV販売も20,000台程度で、普及は限定的な状況です。
 
7月時点でのEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)を合わせた新車販売比率は2.58%に達したものの、欧米や中国と比較すると、依然として普及率は低水準にとどまっています。
 

世界では?中国、アメリカでの人気度は?

中国ではEV市場が非常に活発で、2024年には前年同期比で33%の成長を記録しました。
 
これは、プラグインハイブリッド車(PHEV)の急成長が大きく寄与しており、BYDが市場をリードしています。
 
また、テスラも中国市場での販売を伸ばしており、11月には前年同月比で12.2%の増加を見せました。
 
一方、アメリカでは、2024年のEV販売は引き続き増加しているものの、成長率はやや鈍化しています。
 
第3四半期には前年同期比で11%の成長を記録し、インセンティブや割引が販売を後押ししました。
 
テスラは依然として米国市場をリードしていますが、フォードやシボレーなどの他のメーカーも存在感を増しています。
 

電気自動車(EV)のメリット

排気ガスを一切排出しないため、環境にやさしい

従来のガソリン車はエンジンで燃料を燃焼させることで動力を得ていますが、その過程で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や、呼吸器系に悪影響を及ぼす窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などの有害物質を排出します。
 
一方、充電式バッテリーを搭載したEVは、電気モーターを動力源とし、電力のみで駆動するため、走行中にはこれらの汚染物質を全く排出しません。
 

ガソリン代が安く済む!メンテナンスも楽

EVの魅力は、維持費の大幅な削減にあります。
 
ガソリン価格に左右されない電気での走行と、シンプルな構造による整備の手軽さは、長期的な経済性を実現します。
 
1万kmの走行を例に維持費を比較すると、ガソリン車の年間燃料費が約10万~11万円かかるのに対し、EVの充電費用は約5万円程度と半分以下です。
 
この差額は10年間で約58万円にもなり、家計への貢献度は決して小さくありません。
 
さらにEVは、エンジンを持たない設計のため、エンジンオイル交換が不要です。
 
また、制動時のエネルギーを電気として回収する回生ブレーキ技術により、ブレーキパッドの消耗も少なく済みます。
 

エンジン音が静かで乗り心地バツグン

EVはガソリン車と異なり、エンジンではなくモーターを動力源としています。
 
この構造上の違いにより、エンジンの燃焼音やアイドリング時の振動が発生せず、非常に静かな走行が可能です。
 
実際の走行時には、「ヒューン」というわずかなモーター音以外はほとんど聞こえず、特に停車中や低速走行時にはその静けさが際立ちます。
 
さらに、走行時の快適性という点でも大きな違いがあります。
 
ガソリン車ではエンジンの作動による振動が避けられませんが、EVはモーター駆動のため振動がほぼありません。このため、長時間の運転でも疲労感が軽減されます。
 

電気自動車の気になる点は?

高額な初期費用

EVの初期費用が高い主な理由は、車両本体価格と充電設備の設置費用です。
 
特に、車両価格の3~4割を占めるバッテリーのコストが大きく影響しています。
 
その結果、電気自動車の平均的な購入価格は400万~500万円と、同クラスのガソリン車と比べて100万円程度高くなっています。
 
また、自宅で充電するための設備投資も必要です。
 
そのため、一般的な家庭用充電器の場合、工事費を含めて20万円から50万円程度の費用がかかります。
 

充電時間が5~10時間もかかってしまう

一般的な家庭用コンセントを使用した普通充電では、出力が低いため長時間を要します。
 
また、スマートフォンのバッテリーと同様に、EVも容量が大きいほど充電に時間がかかるでしょう。
 
日産リーフの電気自動車では、60キロワット時(kWh)バッテリーを普通充電で50パーセントまで充電する場合、3キロワット(kW)出力では約10時間、6キロワット出力では約5時間かかります。
 
一方、急速充電を使用すれば、50キロワット出力で30分程度で80パーセントまで充電が可能です。
 
ただし、急速充電器の設置場所は現時点では限られています。v
 

【2024年最新版】電気自動車技術の進化

全固体電池(もっと性能のいい)の登場

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と比較して、エネルギー密度が高く、安全性が向上し、充電時間が短縮されるなど、多くの利点があります。
 
これにより、EVの航続距離が大幅に延び、消費者の利便性が高まることが期待されています。
 
全固体電池の特徴は、液体電解質の代わりに固体電解質を用いることです。
 
これにより、発火や爆発のリスクを低減し、安全性を確保します。
 
また、高エネルギー密度により、同じサイズでより多くのエネルギーを蓄えることが可能です。
 

充電スポットが増えてきてる

2023年から2024年3月までの1年間で、日本国内のEV充電スポットは1,785拠点も増加し、全体で21,549拠点に達しました。
 
普通充電器の設置も着実に進み、同期間で2,996口が新たに加わっています。
 
こうした整備を後押ししているのが政府の支援です。2030年までに30万口という大きな目標を掲げ、その中には急速充電器3万口の整備も含まれています。
 

リチウムイオン電池事業「GSユアサコーポレーション」の株価は?

GSユアサコーポレーションは、電気自動車(EV)市場の拡大を見据え、積極的な投資戦略を展開しています。
 
注目されるのが、リチウムイオン電池事業の強化です。
 
2027年度から本格量産を開始し、2035年度までに生産能力を年間20GWh超まで拡大する計画を掲げています。
 
この目標達成に向け、ホンダとの合弁会社設立や新工場建設を進めており、高性能なリチウムイオン電池の供給体制の整備を着々と進めています。
 
一方で、既存の鉛蓄電池事業における需要減少や競争激化という課題も抱えていますが、政府補助金の活用や技術革新への継続的な投資により、これらの課題克服に取り組んでいます。
 
このような積極的な事業展開により、GSユアサの中長期的な企業価値向上が期待できるのではないでしょうか。
 

まとめ

今回は、電気自動車市場の将来性と最新技術の進化について解説しました。
 
日本のEV市場は着実に成長を続けているものの、現時点では世界市場と比べて普及率が低い状況です。
 
初期費用の高さや充電インフラの不足といった課題がありますが、全固体電池の実用化や充電スポットの増加など、技術革新とインフラ整備が急速に進んでいます。
 
政府目標の2030年までに30万口の充電設備整備や、トヨタによる2027年からの全固体電池実用化など、今後さらなる市場拡大が期待されるでしょう。
 
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