なぜ株価は変動する?素人でもわかる株式投資の仕組みを解説

株価とは何か?多くの投資初心者が抱く疑問です。簡単に言えば、株価は企業の市場価値を金銭的に表現したものです。

それは単なる数字以上の意味を持ち、企業の現在の業績や将来の成長期待を反映しています。
 
今回の記事では、株価の基本的な概念から変動要因、分析方法まで幅広く解説しています。
 
株価の変動要因には「企業業績」「需給バランス」「市場要因」「投資家の期待」があり、これらが複雑に絡み合って株価を形成しています。
 
また、企業の財務諸表を的確に分析し、主要な財務指標の活用で投資判断の精度が向上します。

これにより企業の健全性、収益性、成長性を多面的に評価し、投資のリスクとリターンをより正確に把握できます。
 
本記事を読めば、株価の仕組みや株式投資の基礎知識を深く理解できます。
 

株価とは企業が発行している株式1株あたりの価格

株価は需要と供給のバランスによって変動し、買い手が多ければ上昇し、売り手が多ければ下落します。
 
株価は以下の要因によって影響を受けます。
 
 
投資家にとって重要な指標であり、企業の価値を反映する1つの尺度になります。

通常、株式市場で取引される際は100株単位が基本です。
 

株価が反映する4つの要因

株価の変動は、企業の業績や将来性だけでなく、経済環境や市場心理にも大きく影響します。投資家が注目すべき株価変動の要因を4つ紹介します。  

企業の業績

一般的には、企業の業績が良くなると株価も上がる傾向があります。
 
これは、会社の儲けが増えると、株主に配るお金(配当金)も増える可能性が高くなるからです。

そうなると、会社の株の需要が上がり、結果として株価が上昇しやすくなります。
 
また、業績の良い企業はこれからも成長が期待されるため、投資家はその会社の株をより多く買おうと考えます。
  >このように、需要の増加は株価を押し上げる要因です。
 
注目すべきは、決算発表の時期です。会社の業績が市場予想よりも良かった場合、投資家の期待から、株価が上がる傾向にあります。
 
逆に、企業の業績が悪くなると、株価は下がりやすくなるでしょう。これは、会社の将来に不安を感じた投資家が株を売ろうとするためです。
 

需要と供給

株価は市場での株式取引価格を表し、買い手と売り手の需給バランスによって決定されます。
 
需要が高まれば買い手が増加し、株価は上昇する傾向にあります。
 
一方、供給が増えれば売り手が多くなり、株価は下落しやすくなります。
 
企業の業績は株価に影響を与え、好業績は投資家の期待を高め、需要増加につながります。反対に、業績不振は供給過多を引き起こし、株価の下落を招きがちです。
 

市場要因

市場要因では、以下の動向が株価に影響しています。
       
 
これらの要因は企業の業績や将来性に直接的または間接的に作用し、投資家の心理や市場の需給バランスを左右します。
 
2024年の日本株式市場では、長期間の円安が輸出企業の収益を増加させ、株価を押し上げる要因となりました。

また、日本銀行の低金利政策も企業の借入コストを低減させ、株価を押し上げました。
 

投資家の期待

投資家の期待は企業の将来性に基づいて形成され、株価に大きな影響を与えます。
 
なぜなら、株価は実際の業績だけでなく、将来の見通しや市場心理にも左右されるからです。
 
企業の決算発表時に業績の見通しが修正されると、投資家の期待に変化が生じます。

ポジティブな修正は株価上昇につながり、ネガティブな修正は下落を引き起こす可能性があります。
 
また、景気の先行き不安は投資家の売却傾向を強め、株価下落の要因につながるでしょう。
 
2023年3月の日経平均株価の変動は、こうした期待値の変化が株価に与える影響を示す好例です。

日本銀行の金融政策に関する期待値の変化が海外投資家の行動を左右し、結果として株価の下落と回復をもたらしました。
 

株価と時価総額の関係性


株価と時価総額は密接に関連していますが、因果関係は一般的に考えられているものとは逆です。

実際には、時価総額が株価に影響を与えるのではなく、株価が時価総額を決定しています。
 
時価総額の計算方法は単純で、発行済み株式数に株価を掛けて算出されます。
 
このため、株価が上昇すれば時価総額も増加し、逆に株価が下落すれば時価総額も減少します。
 

株価の見方:ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、企業の財務状況や業績データをもとに、企業の本質的な価値を分析する手法です。

主に以下の指標を使って分析します。
 

  1. PER(株価収益率):株価と1株当たりの利益の比率
  2. PBR(株価純資産倍率):株価と1株当たりの純資産の比率
  3. ROE(自己資本利益率):純利益を自己資本で割った値
  4. 売上高、営業利益、自己資本比率

 
ファンダメンタル分析では、これらの指標を活用して企業の「安定性」「成長性」「収益性」を評価します。
 
企業価値に比べて株価が割安な企業や、事業の成長が期待できる企業の株価は、将来的に本来の企業価値に見合う水準まで上昇する予測です。
 
ファンダメンタル分析は、長期的な投資戦略を立てる際に有効です。

しかしながら、分析に多くの時間と労力を要する課題も存在します。
 

決算書の分析

決算書は企業の財務状況を示し、収益性や成長性を評価する基礎です。
 
株価は企業の業績や将来性を反映するため、決算書の分析は投資判断に不可欠です。適切な株価評価には、決算書からの情報が指標になります。
 
決算書は主に以下の3つから構成されています。
 

  1. 貸借対照表:企業の財務状況
  2. 損益計算書:会社の収益性
  3. キャッシュフロー計算書:資金繰りの状況

 
決算書の情報を分析することで、企業の財務健全性や成長性を判断し、株価の妥当性を評価できます。
  >具体的には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の指標を算出し、同業他社と比較することで、その企業の株価が割高か割安かを判断する材料になります。
 

株価の見方:テクニカル分析

テクニカル分析は、過去の価格や出来高のデータを分析して、将来の価格動向を予測する投資手法です。
 
主に以下3つの前提に基づいています。
 

  1. 市場は全ての情報を織り込む
  2. 価格はトレンドを形成する
  3. 歴史は繰り返す

 
チャートパターンや各種指標を用いて、サポートラインやレジスタンスライン、トレンドを分析します。
 
代表的な指標には「移動平均線」「RSI」「MACD」があります。
 
ファンダメンタル分析とは異なり、企業の財務状況ではなく価格の動きそのものに注目します。
 
短期的な売買タイミングの判断に適していますが、長期投資家にも活用されています。テクニカル分析は100%正確ではありませんが、投資判断の1つとして利用しましょう。
 

まとめ

今回は株式投資における株価を解説しました。   株価は企業の価値や将来性を反映する指標で、主な変動要因は以下のとおりです。
 
 
株価を理解するには「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」の二つの手法があります。
 
ファンダメンタル分析では、決算書を読み解き、PERやPBRの指標を用いて企業の本質的価値を評価します。
 
一方、テクニカル分析は過去の価格データから将来の動向を予測します。これらの分析手法を活用することで、より賢明な投資判断が可能になります。
 
株式投資を始める際は、企業の財務状況や市場動向を十分に研究し、自身の投資目的に合った戦略を立てましょう。

まずは少額から始め、経験を積みながら投資スキルを磨いていきましょう。
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