少子高齢化による株式市場の影響とは?具体的な投資戦略を解説
この人口構造の変化により、労働力不足や社会保障費の増大、消費市場の縮小がこれからの日本の課題です。
しかし、それと同時に医療・介護産業などの成長分野も生まれています。
本記事では、投資初心者に向けて少子高齢化時代における投資戦略と、リスク分散の重要性を分かりやすく説明します。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
日本の未来を左右する少子高齢化問題とは?
2024年時点で、日本の総人口は約1億2409万人ですが、15歳未満の人口は1424万人まで減少し、生産年齢人口(15歳から64歳)も7397万人にまで減っています。この人口構造の変化により、主に2つの課題が浮かび上がっています。
1つは労働力の減少です。
中小企業では後継者不足が深刻化しており、約650万人の雇用が失われる可能性が指摘されています。
2つ目が社会保障費の負担増大です。
75歳以上の高齢者人口は1997万人に達し、今後も増加が見込まれています。
これにより医療や介護などの社会保障費用が膨らみ、現役世代への負担が増すことが懸念されています。
少子高齢化が日本の消費市場を変える|成長分野と縮小分野
人口構造の変化による株式市場のゆくえ
高齢化により、65歳以上の人口割合は2030年には30%を超えると予測されていますが、この変化を受けて、医療・介護産業が大きな成長していくと予想されます。具体的には、高齢者向けの医療サービスや介護施設の需要が増加し、住み慣れた地域で安心して暮らせる「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。
また、高齢者向けの旅行パッケージや生活支援サービスなど、
個人向けサービス産業も大きく拡大していき、新たな市場として注目を集めていくでしょう。
しかし、一方で少子化の影響により縮小している産業も見られます。
例えば、不動産や建設業は、人口減少による住宅需要の低下や新規建設プロジェクトの減少に直面しています。
小売業や卸売業においても、消費者の購買行動の変化や若年層の人口減少により、従来の成長モデルの見直しを迫られています。
年金制度による市場への影響力
年金制度は高齢者世帯の収入源となっており、消費市場に直接的な影響を与えています。2024年度の老齢基礎年金は月額68,000円(年間816,000円)で、高齢者の消費活動を支える基盤です。
引用元:厚生労働省|年金制度基礎資料集
内閣府の報告によると、60歳以上の世帯の消費支出は他世代よりも低いものの、高齢者世帯数の増加により全体的な消費インパクトは拡大していることが確認されています。
年金受給世帯では、就労世帯に比べて可処分所得が少ないため、消費支出も限られる傾向です。
引用元:内閣府|第1-2-1図 高齢者層の消費動向
世界と日本の株式市場を比較|なぜこんなに違う?
米国では移民や出生率の高さから人口が増加しており、若年層の消費活動が経済成長を後押ししています。米国では人口増加率が2%前後で推移する一方、日本の人口は年間0.5%程度減少している状況です。
人口動態の違いを背景に、米国では新しい産業や技術革新が次々と生まれ、テクノロジー企業や新興企業が市場の牽引役となっています。
2024年8月末時点での世界全体の株式時価総額は121.2兆ドルで、そのうち米国が48.5%を占めています。
対照的に、日本は6.7兆ドルで5.6%です。
引用元:岡三証券|外国株式投資の魅力
少子高齢化で生まれる投資のチャンス
介護・医療などシニア需要で伸びる新ビジネス
少子高齢化が進む日本において、介護ロボットや遠隔医療といった先端テクノロジーを活用した新たなビジネスが成長を遂げています。これらのビジネスでは、自動運転車椅子やAIを活用した個別対応型の介護サービスなど、人手不足を補完しながら、従来以上に質の高いサービスの提供が期待できるでしょう。
とりわけ、介護施設向けの革新的な機器やソフトウェアを提供する企業の成長が著しく、投資家からの注目度が高まっています。
代表的な成功事例として、医療・介護業界向けの求人サイトを運営する「エス・エム・エス」が挙げられます。
同社は、業界全体で課題となっている人材不足の解決に向けて、革新的なマッチングサービスを提供し、大きな成果を上げています。
引用元:Yahoo!ファイナンス|(株)エス・エム・エス
さらに、医療機器や介護ロボット分野では、AIやIoTといった最新技術を駆使した製品開発が加速しています。
高齢化社会における様々な課題解決に向けて、この分野への投資は今後さらに拡大していくでしょう。
人口減でも安定の「不滅産業」とは
少子高齢化が進む日本においても、特定の産業には依然として成長の余地があります。これらは「不滅産業」と呼ばれ、人々の生活に必要不可欠なサービスです。
代表的な「不滅産業」は以下のとおりです。
- 医療・介護
- 食品
- エネルギー分野
これらの産業は人口構成が変化しても需要が減少しにくく、むしろ高齢化にともなって需要が増加する分野も含まれています。
このような特徴から、不滅産業は長期的な投資先として注目され続けていくでしょう。
少子高齢化時代に強い!成長が期待できる投資先
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少子高齢化において、医療・介護業界は、高齢者人口の増加にともない需要が急増しています。具体的な投資先としては以下のとおりです。
- 介護業界大手の「ニチイ学館」「ツクイ」
- 医療機器メーカーの「テルモ」
- 製薬会社の「大塚製薬」
介護付き有料老人ホームを運営する企業は、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」で着実な成長が見込まれています。
また、医療機器メーカーや製薬会社も、高齢者向け製品の需要拡大により、安定した収益基盤を構築しています。
リスク分散のコツ – 世界の有望市場への投資法
少子高齢化では、国内の労働力が減少し、経済成長の鈍化が続いています。このような状況下では、日本国内だけに依存せず、成長が見込まれる海外市場や新興産業への投資の分散がおすすめです。
注目すべきは、デジタル技術の進展です。
経済産業省のデータによれば、日本のIT人材不足は2030年には約79万人に達すると予測されています。
IT人材不足の状況は課題である一方、投資機会としても捉えることができます。
なぜなら、世界的なITトレンドやデジタル化の進行により、関連産業は国内外で大きな成長余地を持っているためです。
アメリカや中国などのIT企業への投資は、日本国内市場の停滞を補う方法として有効です。
具体的には「野村グローバルAI関連株式ファンド」が挙げられます。
野村グローバルAI関連株式ファンドは、中国を含む世界中のAI関連企業に投資することで、急成長するAI市場への参加機会を提供しています。
引用元:みんかぶ:野村グローバルAI関連株式ファンドBコース
まとめ
今回は、日本の少子高齢化が株式市場に与える影響と、投資戦略について解説しました。高齢化の進展により医療・介護産業が大きく成長する一方で、少子化による人口減少で不動産や小売業など一部の産業は縮小が予想されます。
このような環境下では、医療機器メーカーや介護サービス企業などの高齢者関連産業への投資に加え、グローバル市場への分散投資が有効な戦略です。
少子高齢化時代に対応した成長産業や海外市場へのバランスの取れた投資を検討してみましょう。
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