自然災害×株価変動の法則とは?投資家が知っておくべき対策を解説
とくに「防災インフラ」や「建設関連企業」の株価が投資家には人気です。
しかし、災害発生時の株価変動は予測が難しく、特定の企業や業種に集中投資することはリスクが高いという課題があります。
本記事では、投資初心者向けに、自然災害時の株価変動の仕組みを分かりやすく説明し、リスク分散を重視した具体的な投資戦略を解説します。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
自然災害は株価にどう影響する?
自然災害による株価変動の仕組みと要因
自然災害は企業の生産設備や社会インフラが損傷を受けることで、企業活動が停滞し、業績の下振れリスクが高まります。なぜなら、投資家心理が慎重化し、株式市場での売り圧力が強まることで、株価の下落を招きやすくなるからです。
さらに、災害発生時には日本円が「安全資産」として買われる傾向があり、急激な円高進行によって輸出企業の収益が圧迫されます。
結果、株式市場全体に追加的な下落圧力がかかることも少なくありません。
地震・台風・洪水など災害の種類による違い
地震の場合、大規模な被害を受けるインフラや建設関連株に注目が集まります。地震による倒壊や損傷が発生すると、復旧工事が必要となるため、建設業や土木関連の株価が上昇することが多いためです。
さらに、地震後には防災意識が高まり、防災関連商品を扱う企業も恩恵を受けます。
一方、台風や豪雨の場合、主に水害対策や復旧に関連する企業に影響を与えます。
例えば、河川の氾濫や土砂崩れが発生した場合、水害対策を行う企業やインフラ関連の企業が注目されやすいです。
過去の自然災害による株価の影響
一般的に、災害発生直後は株価が下落しやすく、復興需要や防災対策関連銘柄に注目が集まります。具体的には、東日本大震災後の市場動向が良い例です。
震災直後、日経平均株価は一時17.5%と大幅な下落を記録しました。
しかし、セメントや大手ゼネコンなど復興関連銘柄には積極的な買いが入り、一部企業は数ヶ月という比較的短期間で株価を回復させました。
同様の傾向は他の災害時にも見られ、2019年の台風19号では、護岸工事や地盤強化関連銘柄が注目を集めています。
災害の影響を受けやすい会社・業種を知ろう
災害に強い会社・弱い会社ってどんな特徴があるの?
災害に強い会社は、ハザードマップを活用した自社のリスク分析が徹底されています。そのため、災害発生時にも迅速な対応が可能となり、被害を最小限に抑えることが可能です。
一方、災害に弱い会社では、リスク管理や事業継続計画(BCP)の策定が不十分なため、災害発生時の対応に遅れがあります。
防災対策が不十分な企業では、災害時にインフラ停止や人員不足などの問題に直面し、事業継続が著しく困難になるケースが少なくありません。
その結果、取引先からの信用低下や売上げの激減を招き、最悪の場合は倒産する可能性も高まってしまいます。
災害が起きた時、どんな業種の株価が変わりやすい?
災害が発生すると、建設業や防災関連商品(非常食、防災セット、発電機など)を扱う企業の株価は上昇を示しやすいです。具体的には、災害発生後の復旧作業や社会全体の防災意識の高まりにより、建設業や防災関連企業への需要が急増します。
一方、電力会社や通信会社などのインフラ関連企業、および保険会社の株価は下落圧力を受けやすいです。
インフラ設備の修復コストや保険金支払いの増加が予想される電力・通信会社や保険会社では、災害による損失リスクが高まるため、株価が下落する傾向が強まります。
自然災害に備えた投資の考え方
1つの会社の株だけに投資するのはNG!
自然災害に備えた投資戦略において、1つの企業への集中投資はしないようにしましょう。理由は、自然災害が発生した際、その企業が壊滅的な被害を受けるリスクが高まるためです。
例えば、製造業であれば工場の被災による生産停止、小売業であれば店舗網の機能停止など、
特定の地域や業界に依存している企業は、地震や台風などの災害によって事業活動が中断し、収益が急激に悪化する可能性があります。
いろんな業種の株に分けてリスク分散しよう
自然災害は予測が困難で、特定の業種や企業に大きな影響を与えやすいです。地震や台風が発生した場合、建設業や保険業は直接的な影響を受けますが、一方で医療や食品関連企業は需要が増加する傾向があります。
このように、災害の影響は業種によって異なるため、多様な業種に投資することでリスクを分散できます。
以下では、より詳しくリスク分散の投資先を紹介します。
災害の時に注目したい投資先
防災関連の会社が含まれる投資信託
防災関連の会社が含まれる投資信託は、自然災害が頻発する現代において注目すべき投資先です。防災関連企業は、自然災害発生時に復旧や防災対策の需要が急増します。
具体的な投資先として「インフラ関連グローバル株式ファンド」がおすすめです。
インフラ関連グローバル株式ファンドは防災・減災インフラ、環境インフラ、医療インフラ、デジタルインフラの4つのテーマに分散投資することで、リスクの軽減も図っています。
2024年のデータによると、インフラ関連グローバル株式ファンドの1年間のリターンは+39.32%と非常に好調です。
出典:Yahoo!ファイナンス|インフラ関連グローバル株式ファンド
防災インフラに関連するETF(上場投資信託)への投資
もう1つの投資先は、インフラに関連するETF投資です。防災インフラ関連ETFの魅力は、複数の企業に分散投資できることにあります。
自然災害への対策需要は今後も増加が見込まれ、さらに、社会全体の安全性向上にも貢献できる投資先といえるでしょう。
具体的な投資先として注目されているのが、「グローバルX 新成長インフラ-日本株式 ETF」です。
このファンドは、次世代通信や輸送・物流、ソーシャル・ヘルスケア、次世代エネルギーといった幅広い分野で、日本の新成長インフラ関連企業に投資を行っています。
防災インフラの整備や管理に携わる企業が多く組み入れられており、長期的な成長が期待されています。
このように、防災インフラ関連ETFは、リスク分散と社会貢献を両立させながら、持続的な成長を目指せる投資手段として、今後さらなる注目を集めることでしょう。
出典:日本経済新聞|グローバルX 新成長インフラ-日本株式 ETF
まとめ
今回は、自然災害が株価に与える影響と投資戦略を解説しました。短期的には市場全体が下落する一方で、建設業や防災関連企業などの特定セクターでは株価上昇が見られます。
東日本大震災後には日経平均株価が一時17.5%下落したものの、セメントや大手ゼネコンなどの復興関連銘柄は数ヶ月で回復を見せました。
今後も自然災害の発生頻度増加が予想される中、防災インフラ関連企業への投資需要は継続的に高まると考えられます。
投資家は、リスク分散の観点から、防災関連企業を含む投資信託やETFなどを活用した分散投資をするようにしましょう。
このような市場の動きを事前に予測し、適切な投資判断を行うためには、プロの投資家による実践的な知識が不可欠です。
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