5G・IoTとは?これから伸びる成長市場に向けた投資戦略を解説

次世代通信技術「5G」と「IoT」の組み合わせは、高速大容量の通信と多数のデバイス接続が可能です。そのため、産業界に革新的な変革技術として注目されています。
 
技術の普及により、これからも工場の自動化や遠隔医療など、さまざまな産業で効率化と新ビジネスモデルが生まれていくでしょう。
 
一方で、日本企業の国際競争力の低さや、基地局整備における海外企業への依存が課題となっています。
 
本記事では、投資初心者向けに、5GやloTの基本的な仕組みから、5Gに関連する投資戦略を交えながら解説します。
 
ぜひ、最後までお読みください。
 

次世代通信「5G」とは

5Gは第5世代移動通信システムで、私たちの暮らしやビジネスを大きく変革してくれるでしょう。

実際、5Gは従来の4Gと比較して、以下の特徴があります。
 

  1. 高速大容量
  2. 低遅延
  3. 多数同時接続

 
最初に5Gの代表的な特徴は、圧倒的な通信速度です。
 
理論上、最大10Gbps以上の速度を実現可能であり、これは4Gの数十倍に相当します。
 
この高速性により、大容量データの迅速な送受信が可能となり、

特に4K/8K動画のストリーミングやクラウドゲームなど、データ量の多いアプリケーションで真価を発揮します。
 
そして、低遅延も5Gならではの特徴です。

遅延を1ミリ秒以下に抑えることで、リアルタイムでの通信が求められる自動運転車や遠隔医療などの分野で革新的な可能性を開きます。
 
さらに、多数同時接続では、1平方キロメートルあたり100万台以上のデバイスを同時に接続が可能です。
 

全てがつながる「IoT」の仕組み

IoT(Internet of Things)とは、インターネットを介してさまざまなデバイスや機器が相互に通信し、情報をやり取りする技術です。
 
従来は独立して動作していた家電や車、工場設備などが一体となって動作し、効率的な管理や自動化を実現できるようになりました。
 
具体的には、センサーを搭載したデバイスがリアルタイムでデータを収集し、

クラウド上で分析することで、最適な行動を自動的に取ることが可能です。
 
そのため、人手による監視や操作が不要になり、企業はコスト削減や業務の効率化を実現できます。
 
 

5G×IoTが産業界に与える影響

通信インフラ企業(基地局設備メーカー、通信キャリア)

5G基地局の世界市場は現在も成長を続けており、総務省の調べによると2023年には4兆1,184億円に達し、前年比3.3%増を記録しました。
 
さらに、5Gインフラ市場全体は2024年から2032年にかけて年平均成長率42.7%の成長を遂げると予測されています。 
 
しかしながら、5G基地局市場においては、Huawei、Ericsson、Nokiaといった海外企業が市場シェアの大半を占めており、日本企業の国際競争力強化が課題です。
 
2030年度には市場規模が558億円まで拡大すると予測されており、新たな成長分野として通信インフラ企業は期待が高まっています。
出典:矢野経済研究所「ローカル5Gソリューション市場に関する調査を実施」  

スマホなどの通信機器メーカー

デジタル技術の進化とIoTの普及により、通信機器メーカーも環境が大きく変化しています。
 
具体的には、コネクテッドカーやスマートシティ、ヘルスケアデバイスなどの分野での需要が急増しており、これらが通信機器メーカーの新たな収益源として注目を集めています。
 
IDC Japanの予測によると、2024年末には国内モバイル通信サービス市場全体の26.5%が5G通信サービスによるものとされており、その成長は着実に進んでいるのです。
 
この市場動向に対応し、各メーカーは革新的な製品開発を進めています。
 
その代表例が、京セラの法人向け5G対応デバイス「K5G-C-100A」です。
出典:京セラジャパン「K5G-C-100A」  
この製品は、高速大容量通信に対応し、産業用途に特化した堅牢性を備えており、

製造現場やスマートシティのインフラ整備において幅広い活用が期待されています。
 
今後も技術革新と市場ニーズの多様化に伴い、通信機器メーカーの事業領域はさらなる拡大が見込まれていくでしょう。
 

電子部品(半導体)企業

5G×IoTの時代の到来により、半導体産業は新たな転換期を迎えています。
 
高度なデータ処理能力と通信能力を持つ半導体の需要が急増しており、2023年の世界の半導体市場は前年比15%増を記録しました。
 
自動運転車やスマートシティといった新興分野でも、

AIによる高速データ処理やリアルタイムな通信を実現するため、高度な半導体技術が不可欠となっています。
 
この技術革新を牽引しているのが、世界的な大手企業の取り組みです。
 
例えば、テスラは完全自動運転の実現に向けて独自の半導体チップを開発し、アップルは5G対応の高性能チップを搭載した新型iPhoneを展開しています。
 

急成長する5G×IoT市場の投資戦略

2024年から2030年にかけて、5G×IoT市場は年平均成長率(CAGR)30.32%で拡大し、2030年には415億米ドルに達すると予測されています。
 
急速な市場拡大を踏まえ、以下の分野で事業を展開する企業群に投資機会が生まれています。
 

通信インフラ企業 

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの大手通信会社は、5G通信網の全国整備を積極的に推進しています。
 
これらの企業は、5G関連サービスの普及による通信量の増加や、新たな収益源の開拓により、市場拡大の恩恵を直接享受できる立場にあります。
 

IoTデバイス・センサー関連企業

デンソー、村田製作所などの既存大手に加え、センサー技術やデータ解析に特化したスタートアップ企業が台頭しています。
 
製造業や農業、医療分野におけるIoTの活用拡大にともない、革新的な製品やサービスを提供する企業にとって、事業機会は一層拡大するでしょう。
 

半導体産業

5G通信機器やIoTデバイスの需要増加により、東京エレクトロン、ソニーグループ、TSMCなど半導体製造各社の業績向上が期待されます。
 
省電力かつ高性能なチップの開発・製造に強みを持つ企業の成長が著しいと予測されます。
 

複数の関連企業にまとめて投資できるETFの活用

ETFは一度に複数の関連企業に分散投資できるため、個別株式投資と比べてリスクを抑えつつ、市場全体の成長を享受できます。
 
5G×IoTという急成長市場では、どの企業が成功するか予測が困難です。
 
しかし、ETFを活用することで、有望な関連企業群にまとめて投資でき、市場全体の成長機会を逃さず捉えることができます。
 
具体的な投資対象として、「
Global X ロボット&AI ETF」や「Global X クラウド・コンピューティング ETF」などが注目を集めています。
 
これらのETFは、厳選された5G・IoT関連企業群に分散投資することで、個別銘柄選定の手間を省きつつ、技術革新の恩恵を受けられるでしょう。
 

まとめ

今回は、5GとIoTの組み合わせが産業界にもたらす革新と投資戦略について解説しました。
 
ローカル5Gソリューション市場は2030年度には558億円規模に成長し、企業の生産性と効率性の向上に貢献すると予測されています。
 
注目すべきは、2024年から2030年にかけての5G IoT市場の成長性です。
 
年平均成長率30.32%という力強い拡大が見込まれ、最終的に415億米ドル規模に達すると予測されています。
 
このような市場拡大を踏まえると、投資家にとっては、5G・IoT関連のETFを組み入れることで、成長市場への分散投資が可能となります。

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