米国雇用統計と株価の関係とは?雇用統計の見るべきポイントを解説
近年、個人投資家の増加にともない、雇用統計データの重要性が高まっていますが、
非農業部門雇用者数や失業率、平均時給など、投資初心者からしたらよくわからない人も多いのではないでしょうか?
本記事では、投資初心者の方に向けて、米国雇用統計の基本的な見方から具体的な投資戦略への活用方法までわかりやすく解説しています。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
米国雇用統計って何?基本から理解しよう
基本情報と発表スケジュール
米国雇用統計は毎月第1金曜日の発表で、投資家が待ち構える大イベントです。雇用統計の結果は、外国為替市場や株式市場に影響を与えることから、世界中の投資家や経済アナリストにとって欠かせない指標として注目されています。
主な構成要素は、以下の3つから成り立っています。
- 非農業部門雇用者数
- 失業率
- 平均時給
これらの指標は米国経済の健康状態を総合的に映し出す「経済の体温計」とも言えます。
GDPや物価指数との関連性
米国雇用統計は、アメリカの経済状況を把握する指標のため、GDPや物価指数と密接に関連しています。これは、アメリカにおけるGDPの約70%を個人消費が占めており、雇用状況が個人消費に直接影響を与えるためです。
2024年9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比254,000人増と市場予想を大幅に上回り、失業率も4.2%から4.1%に低下しました。
この結果は、米国経済の底堅さを示すものであり、株式市場にポジティブな影響を与えています。
雇用統計で注目すべき3つのポイント
ポイント1 景気の健康診断:非農業部門雇用者数
非農業部門雇用者数とは、農業以外の全産業で働く人々の総数を表す経済指標です。米国労働省労働統計局が毎月公表するこのデータは、約16万もの企業や政府機関から丹念に収集され、約48万の事業所からの詳細な情報を基に算出されています。
雇用者数の増加は景気の上向きを示す好材料として受け止められ、個人消費の活性化につながります。
一方で、雇用者数の減少は景気後退の予兆として、市場に警鐘を鳴らす要因でしょう。
ポイント2 失業の実態を知る:完全失業率と労働参加率
完全失業率は、労働力人口に占める完全失業者の割合を示す経済指標です。完全失業率の低下は、多くの人々が仕事を獲得できている状態で、企業活動の活発化を意味しています。
その結果、企業の業績向上や経済の好転につながります。
2024年10月の完全失業率は4.1%と横ばいを維持しており、労働市場が安定した状態でした。
一方、労働参加率は、15歳以上の労働年齢人口のうち、求職活動をしている人の割合です。
2024年10月の労働参加率は62.7%と、人々の労働市場への参加意欲が安定していることがわかります。
ポイント3 賃金の動き:平均時給から物価上昇を予測する
平均時給の動きは、賃金の上昇や消費者の購買力を押し上げ、経済全体の活性化につながります。賃金の上昇は、私たちの消費意欲が刺激されるため、小売店やサービス業の売上増加につながります。
結果的に、新たな雇用を生み出す好循環を生みやすくなるでしょう。
2024年9月の平均時給は、前年同月比で4.0%増加して35.4ドルとなり、
物価の上昇率(消費者物価指数:CPI)の2.4%を大きく上回りました。
つまり、物価上昇を差し引いても、私たちの実質的な購買力は着実に改善しています。
雇用統計の発表による為替相場(ドル円など)への影響
雇用統計が市場予想を上回ると、ドル高・円安の展開となりやすい傾向があります。なぜなら、堅調な雇用情勢下ではFRBが利下げに慎重な姿勢をとるためです。
これにより日米間の金利差が維持され、ドル建て資産への投資魅力が高まります。
結果として、円売り・ドル買いが加速する展開となります。
この典型的な例が、2024年10月4日の雇用統計発表でした。
予想を大きく上回る就業者数の伸びを受けて、円相場は一時1ドル=149円台まで下落。
市場が統計結果に即座に反応する様子が表れた場面となりました。
米国雇用統計を投資に活かすポイント
雇用が増えると伸びる業種(小売・サービス)
米国雇用統計を踏まえた投資戦略として、小売業やサービス業への投資が有効です。なぜなら、雇用の拡大が消費者の購買力を高め、経済全体に好循環をもたらすためです。
非農業部門の雇用者数の増加は、企業活動の活性化と消費者所得の上昇という2つの効果を生み出します。
結果、消費者の支出動向に敏感な小売業やサービス業といった業種が、大きな恩恵を受けやすいです。
金利変動の影響を受ける業種(銀行株)がおすすめ
雇用統計が予想を上回る結果を示した場合、これは経済の堅調さを示す指標といえます。このような状況下では、FRB(連邦準備制度理事会)が物価の安定性を重視し、金利引き上げを検討する可能性が高まるでしょう。
この金利上昇は、銀行株にとって追い風となります。
なぜなら、貸出金利と預金金利の差(利ざや)が拡大することで、銀行の収益性が向上するためです。
長期的なインデックスファンドへの投資
インデックスファンドへの投資戦略は、長期的な視点で経済の健全性を評価し、安定したリターンを追求する非常に効果的な手法です。雇用統計を見るべき重要な3つのポイント、
「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」などのデータは、経済の活力や成長の方向性を示します。
雇用者数が市場予想を上回る増加を示した場合は、企業活動の活発化を意味し、株式市場全体にポジティブな影響を与えると予想できるでしょう。
そのため、経済指標の動向を捉える投資手法として、インデックスファンドが注目されています。
なぜなら、市場全体に幅広く分散投資することで、個別銘柄のリスクを抑制しながら経済成長の恩恵を受けることができるからです。
2008年のリーマンショック後でも、米国市場は10年間で年率7~8%という堅実な成長を遂げました。
さらに、インデックスファンドの魅力は、低コストでの運用が可能なことでしょう。
信託報酬を大幅に抑えられるため、長期投資を考える投資家にとってインデックスファンドでの運用を強くおすすめします。
まとめ
今回は、米国雇用統計が株式市場や為替市場に与える影響と、雇用統計の発表による具体的な投資戦略を解説しました。雇用統計は、以下3つの指標から米国経済の健康状態を示し、投資判断の材料となります。
- 非農業部門雇用者数
- 失業率
- 平均時給
2024年9月の統計では、非農業部門雇用者数が前月比254,000人増と市場予想を上回り、株式市場にポジティブな影響を与えました。
経済指標の改善は、小売・サービス業に好影響を与え、2021-2022年には小売業界が前年比約10%の成長を記録しています。
今後も雇用統計の動向は市場に大きな影響を与え続けると予想されます。
投資家は、毎月第1金曜日の雇用統計発表を注視し、インデックスファンドなどを活用した長期的な投資戦略を考慮するようにしましょう。
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