今さら聞けない!投資初心者が知っておくべきバリュー株の基礎知識
株式投資を始めたいけれど、何から手をつけていいか分からない。そんな投資初心者の方におすすめなのが、バリュー株投資です。
バリュー株とは、本来の価値に比べて割安に取引されている優良企業のことです。割安な価格で購入し、長期的に保有することで高いリターンが期待できます。
今回の記事では、バリュー株の基礎知識から探し方、メリット・デメリットまで詳しく解説。さらに、投資初心者でも簡単に始められる銘柄スクリーニング機能の使い方についても紹介しています。
本記事を読めば、バリュー株投資の全体像が把握でき、株式投資の第一歩を踏み出せるはずです。割安な優良株を見極め、長期的な資産形成を目指しましょう
バリュー株とは、本来の価値に対して株価が割安の株式
バリュー株とは、企業の資産や利益に対して株価が割安だと考えられる株式のことです。
投資家にとって魅力的な投資対象となるのは、株価が企業の本来の価値よりも低いと判断されるためです。
例えば、ある会社の資産が100億円あるにもかかわらず、株価から計算した会社の価値が50億円しかない場合、その株は割安だと言えます。
バリュー株を見つけるには、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)といった指標を使うのが一般的です。
- PBRは株価と会社の資産価値を比べる指標で、1倍未満であれば割安だと判断されます。
- 一方、PERは株価と会社の利益を比べる指標で、数字が低いほど割安だと考えられています。
景気が回復したり、金利が上昇したりすると、バリュー株の株価が大きく上がることがあります。2020年11月に、ファイザー社が新型コロナウイルスのワクチン開発に成功したニュースが流れた際には、バリュー株の株価がグロース株(成長株)よりも12%も高く上昇しました。
このように、バリュー株は特定の時期に大きな利益を生み出す可能性があるため、投資家にとって魅力的な投資対象となることがあります。
バリュー株の探し方
バリュー株とは、本来の価値に比べて割安に放置されている銘柄のことを指します。
財務内容が健全で、将来性があるにもかかわらず、一時的に株価が下落している企業に注目することがポイントです。そこで、バリュー株を見つけるための具体的な方法について、以下で詳しく紹介します。
銘柄スクリーニング機能を利用する
投資を始めたばかりの人でも、証券会社のウェブサイトにある「銘柄スクリーニング」という機能を使えば、お買い得な株を簡単に見つけることができます。
この機能では、以下のような条件を設定して、たくさんある株の中から自分の好みに合ったものを選び出すことができるんです。
- PER(株価収益率):15倍以下
- PBR(株価純資産倍率):1倍以下
- ROE(自己資本利益率):10%以上
これらの数字が何を意味するのかは、最初のうちは難しく感じるかもしれません。
簡単に言うと、これらの条件を満たす株は、値段が安めで、会社の収益力が高いということを示しています。
こういった条件を設定してボタンを押すだけで、自分に合った株を見つけ出せるんです。一つ一つの会社を調べる必要がないので、とても効率的ですよね。
ファンダメンタルズ分析を行う
バリュー株を見つけるためには、ファンダメンタルズ分析が欠かせません。
ファンダメンタルズ分析とは「企業の財務状況や業績」「経営戦略」などを総合的に評価する方法のことです。
具体的には、以下のポイントでチェックします。
- 企業の決算書を確認
- 売上高や利益の推移
- 負債の状況など
加えて、業界の動向や競合他社との比較も行うことで、企業の将来性を見極めることができます。
ファンダメンタルズ分析を通じて、現在の株価が割安でありながらも、将来的な成長が期待できる銘柄を発掘することが可能です。
バリュー株のメリット
バリュー株投資は、一時的に市場から低く評価されている優良企業の株式を割安な価格で購入し、長期的に保有することで高いリターンを狙うという投資手法です。
以下では、バリュー株投資のメリットについて見ていきます。
株価の下落リスクが低い
バリュー株は、割安な価格で取引されているという特徴があるため、株価の下落リスクが比較的低いです。
すでに低い価格で取引されているため、さらに大きく下落する可能性は少ないでしょう。
また、市場全体が下落するような局面でも、バリュー株は他の銘柄と比べて相対的に安定した動きを示してくれます。
高い配当利回り
企業が安定した利益を上げている場合、配当金を支払う余裕があるため、投資家は魅力的なインカムゲインを得ることができます。
高い配当利回りは、特に長期的な投資を考える際には大きなメリットとなります。
安定したインカムゲイン
バリュー株は、安定した業績を上げている企業の株式であるため、安定したインカムゲインを提供することが多いのが特徴です。
企業が安定的に利益を生み出している場合、配当金も安定して支払われるため、投資家にとって安心感があります。このような特性から、バリュー株は、特に退職後の生活資金としてインカムゲインを重視する投資家にとって魅力的な選択肢となっています
低ボラティリティ
バリュー株は一般的に低ボラティリティであることが多く、株価の変動が少ないため、リスクを抑えた投資が可能です。
特に市場全体が不安定な時期でも、バリュー株は比較的安定していることが多いのが特徴です。そのため、リスクを抑えたい投資家にとって、バリュー株は魅力的な選択肢となっています。
投資額が比較的低額
バリュー株は割安な価格で取引されているため、初心者でも無理なく投資を始めることができます。投資額が比較的低額で済むことが多く、少額から始められるため、リスクを抑えた投資が可能です。
バリュー株のデメリット
バリュー株投資は魅力的なリターンを得られる可能性がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、バリュー株投資のデメリットについて詳しく見ていきます。
大きな利益が期待できない
バリュー株の一つのデメリットは、大きな利益が期待できないことです。既に割安な価格で取引されているため、急激な株価上昇はあまり期待できません。
成長株と比較すると、リターンが限定的であることが多いです。
割安である理由がある
バリュー株が割安となっている理由を見極めることは重要です。
なぜなら、多くの場合、企業の業績低迷や業界全体の不調など、何らかの問題が背景にあるためです。
単に株価が低いからといって、安易にバリュー株に投資するのは避けるべきでしょう。割安となっている理由を十分に分析し、問題点を把握した上で、投資判断を下すことが賢明です。
大きなリターンが望みにくい
バリュー株投資では、大きなリターンを短期間で得ることが難しいです。その理由は、成長株と比較して、株価の上昇余地が限られているためです。
バリュー株は、長期的な視点で安定したリターンを求める投資家に適しています。一方で、短期的な利益を狙う投資家にとっては、バリュー株投資は不向きと言えるでしょう。
株価の低迷が続く可能性がある
バリュー株投資には、株価低迷のリスクがあります。企業の業績が改善しない場合や、業界全体が不調である場合、株価が長期間にわたって低迷する可能性があります。
このような状況では、投資資金が長期間にわたって眠ってしまうリスクがあるため注意しましょう。
まとめ
今回は、バリュー株について解説しました。バリュー株とは、本来の価値に対して割安な株式のことを指します。PBRやPERといった指標を使って見つけ出すことができ、銘柄スクリーニング機能やファンダメンタルズ分析が有効です。
メリットとしては、下落リスクが低く、高い配当利回りや安定したインカムゲインが期待でき、投資額も比較的低額で済みます。
一方、デメリットとしては大きな利益が見込めない、割安である理由を見極める必要がある、株価低迷が続く可能性があることが挙げられます。
自分の投資スタイルに合ったバリュー株を見つけ、長期的な視点で投資することが大切です。まずは少額から始めてみましょう。