テーマ投資とは?テーマ選びなど、トレンドに乗った投資戦略を解説

テーマ投資を始めてみたいけど具体的な始め方や、メリットとデメリットなどに疑問に思う投資家も多いかと思います。
 
本記事では、テーマ投資の基礎から実践的なアプローチ、さらには注目すべき投資分野まで解説します。

初心者から経験豊富な投資家にまでわかりやすく紹介。
 
これから、テーマ投資を自身の投資戦略に取り入れたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
 

テーマ投資とは?

テーマ投資は、社会の動向や将来性のある分野に着目して行う投資方法です。
 
テーマ投資戦略が人気なのは、注目されているテーマに関連する企業が成長する可能性が高くなります。
 
例えば、環境問題やデジタルトランスフォーメーション(DX)など、

将来的に成長が見込まれるテーマに投資することで、インデックスファンドを上回るリターンを狙うことができます。
このように、社会的な変化やトレンドに応じてテーマを選ぶことで、テーマ投資は大きな成果を上げられやすいです。
 

テーマ投資のメリット

ここでは、テーマ投資をおこなう上で具体的なメリットを2つ解説します。  

短期間での株価上昇の可能性

テーマ投資は、特定のテーマが市場で注目されると、

多くの投資家がそのテーマに関連する銘柄(個別の株式のこと)に資金を投入するため、株価が短期間で急騰することがあります。
 
このような投資方法は、時流に乗った高いリターンが期待できます。
 
具体的な例として、新型コロナウイルスの影響で需要が高まったマスクや消毒液関連の銘柄は、短期間で大幅に値上がりしました。
 

少額で簡単に分散投資ができる

テーマ投資は、選定されたテーマに基づいて関連する複数ある企業の株式をパッケージとして購入する仕組みです。
 
この方法を通じて、投資家は一度に多くの銘柄への投資が可能となり、リスクの分散化を図ることができます。
 

テーマ投資のデメリット

次に、テーマ投資のデメリットを解説します。  

手数料が高い

通常の投資信託やインデックスファンド(市場全体の動きに連動することを目指すファンド)に比べて、比較的高い手数料が設定されています。
 
なぜなら、テーマに沿った銘柄選定や運用に専門的な知識と分析が必要で、その分のコストが手数料に反映されるためです。
 
また、テーマ投資では複数の銘柄に分散投資することが一般的で、取引回数が増えることも手数料上昇の一因となっています。
 
市場動向に応じて頻繁に売買を行うアクティブ運用のファンドでは、手数料が高くなる傾向にあります。
 
テーマ投資ファンドの平均的な運用手数料は年率1.5%から2.5%程度であるのに対し、

一般的なインデックスファンドは0.1%から0.5%程度です。

年間リターン(収益率)が5%の場合、手数料が1%高いだけで20年後にはリターンが約20%も減少する可能性があります。
 

ボラティリティが大きく、価格変動のリスクが高い

テーマ投資は、特定の市場動向やニュースに敏感に反応する特徴があります。

そのため、関連する銘柄の価格変動が激しくなりやすいです。
 
その結果、投資家にとって予測困難な状況を生み出すでしょう。
 
短期的には大きな利益を得る可能性がある一方で、急激な相場の変化によって大きな損失を被るリスクもあるので注意が必要です。
 

注目のテーマ投資分野

注目のテーマ投資分野では、AI向け半導体と自動化分野が特に注目を集めています。

これらの分野は技術革新と需要の急増により、大きな成長が期待されています。

これらの分野を具体的に解説します。
 

AI向け半導体

AI向け半導体市場は急速に拡大しており、2023年には約489億6千万ドルだった市場規模が、

2034年には約2328億5千万ドルに達すると予測されています。
 
これは、年平均成長率(CAGR)15.23%という目覚ましい成長を示しています。

この成長の背景には、AI技術の急速な進化があります。

これらのAI技術を支えているのが、高度な計算能力を持つ半導体チップです。
 
AI向け半導体は、機械学習や深層学習の複雑な計算を行うために最適化されており、

AIアプリケーションの性能を飛躍的に向上させます。
 
AI半導体の企業として、NVIDIAが有名です。
 
NVIDIAのAIチップは、画像認識や自然言語処理などの分野で高い評価を受けており、その市場支配力を着実に高めています。
 

2024年問題(人手不足)による自動化投資

日本の労働市場問題に関連する投資分野として、自動化技術、デジタル化ソリューションに取り組む企業に注目が集まっています。
 
なぜなら、日本の労働力人口の減少という深刻な課題があるからです。
 
驚くべきことに、2030年には644万人もの人手不足が予測されています。
 
2024年4月から施行された時間外労働の上限規制は、この人手不足にさらなる拍車をかけると予想されています。

特に影響を受けるのが物流業や建設業です。
 
物流業界の試算によると、この規制により14万人もの運転手が不足し、なんと13%の物資が運べなくなるとされています。

もはや、一企業や一業界の問題ではなく、日本の経済活動全体の課題です。
 
その改善の一つが、生産性向上と自動化投資です。

政府もこの動きを後押ししており、経済産業省は「省力化投資補助金」として1000億円を2023年度の追加予算に計上しました。
 
これにより、中小企業のAIやロボット導入が促進され、人手不足の改善が期待されるのではないでしょうか。
 

テーマ投資の具体的な購入方法

個別株式を選定し、直接投資する方法


個別株式への直接投資は、適切なリサーチとリスク管理を行うことで、魅力的なリターンを期待できる戦略です。
 
特定の成長分野や産業トレンドに焦点を当てることで、市場平均を上回る成果を目指すことができます。
 

テーマ型ETFや投資信託の活用

テーマ型ETFは、個別株投資と比較してリスクを抑えられます。
 
その理由は、一つの企業だけでなく、同じテーマに関連する複数の企業に資金を分散投資できるからです。

このアプローチにより、ある企業が業績不振に陥ったとしても、他の企業の好調な業績がそれを相殺する可能性があります。
 
さらに、テーマ型ETFの利点は、プロの運用者によって厳選された銘柄に投資できることです。
 
これにより、個人投資家でも専門家の知見を活かした投資戦略を実践できます。
 

テーマ株の探し方(業界ニュースや技術トレンドのチェック)

業界ニュースや技術トレンドを知っておくと、どの分野がいま注目か、

どの技術が将来の市場をリードする可能性があるのかを理解できます。
 
2024年の技術トレンドを見てみると、生成AIや自動運転、持続可能な技術などが注目を集めています。
 
ChatGPTのような生成AIは私たちの働き方を大きく変えつつあるでしょう。
 
テスラをはじめとする自動運転技術は、2024年の有望な投資テーマとして注目を集めています。
 

まとめ

テーマ投資は、特定のテーマやトレンドに基づいて投資を行う戦略です。
 
AIや2024年問題(人手不足)などが注目テーマで、メリットとして短期間での株価上昇の可能性や簡単な分散投資があります。
 
しかし、高い手数料や価格変動リスクがデメットとして挙げられます。
 
テーマ投資は、社会変化や技術革新に敏感に反応し、高いリターンの可能性がある一方で、リスクも高い投資手法と言えます。
 
テーマ株の購入方法は、個別株式への直接投資、テーマ型ETFや投資信託で実践できます。
 
テーマ投資を検討する際は、十分な調査と自身のリスク許容度を考慮したうえで、取り組むようにしましょう。
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