【年平均成長率12%】デジタル通貨と株式投資の関係性とは?

デジタル通貨市場が急成長を続ける中、株式投資への影響も注目されています。
 
ビットコインETFの承認や中央銀行デジタル通貨の開発など、新たな動きが投資環境を変化させているのも事実です。
 
この記事では、デジタル通貨が株式市場に与える影響や、関連企業への投資戦略を解説します。
 
ブロックチェーン技術企業や仮想通貨取引所など、注目すべき分野も紹介。

デジタル通貨時代の投資に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
 

デジタル通貨市場の現状とは?

デジタル通貨市場は急速に成長を続けており、この傾向は今後も続くと予想されています。
 
市場調査によると、デジタル通貨市場の規模は2023年の58億1,000万米ドルから、2032年には169億5,000万米ドルに達すると見込まれています。
 
これは、年平均成長率12.64%という驚異的な数字です。
 

デジタル通貨による成長の背景には、以下のメリットがあります。
 
 
消費者と企業の両方がデジタル通貨を積極的に採用し、市場の急速な拡大につながっています。
   
また、ブロックチェーン技術の進化も、デジタル通貨の普及を後押ししているのでしょう。
 

デジタル通貨が株式市場に与える影響

次に、デジタル通貨がどう株式市場に影響をあたえるのか解説します。  

ビットコインETFの承認

ビットコインETF(上場投資信託)の承認により、ビットコインを含む暗号資産が、より広く投資家にとって身近な投資対象となりました。
 
その結果、機関投資家(銀行や保険会社など大規模な資金を運用する組織)を含む多くの投資家が、仮想通貨市場に参入しやすくなったのです。
 
ビットコインETFは、仮想通貨取引所を介さずに、通常の証券口座を通じて取引できます。
 
2024年1月に米国でビットコイン現物ETFが初めて承認された際、ビットコインの価格が約400万円から一時707万円まで、約75%の上昇を見せました。
 
金融アナリストの分析によると、今後3年間でビットコインETFには最大2,200億ドル(約32兆円)の資金が流入の可能性があるとされています。
 

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発

CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨です。
 
現金のデジタル化を進めることで、決済システムの効率化や金融包摂の促進を目指しています。
 
CBDCの導入は、取引の即時決済を可能にし、決済リスクを低減させることで、金融市場全体の安定性が向上します。
 
国際間のCBDC取引が実現すれば、クロスボーダー取引(国境を越えて行われる取引)のコストと時間が大幅に削減され、株式投資がより活発になるでしょう。

具体例として、中国のデジタル人民元(e-CNY)の実験が挙げられます。
 
既に複数の都市で実証実験が行われており、アリババやテンセントなどの大手テクノロジー企業の株価にポジティブな影響を与えています。
 

ビットコイン保有企業の株がビットコインの価格変動に連動

ビットコインは高いボラティリティを持つ資産で、価格変動は企業の財務状況に大きな影響を与えます。
 
ビットコインの価格が上昇すると、それを保有する企業の資産価値も増加し、結果として株価が上昇する傾向があります。
 
「MicroStrategy」や「Tesla」などの企業は、大量のビットコインを保有しており、ビットコインの価格変動が企業の株価に大きく影響を与えています。
 
このように、ビットコイン保有は企業の財務状況や株価に大きな影響を与える要因となっています。
 

デジタル通貨関連株への投資

ここでは、デジタル通貨に関連する株式への具体的な投資方法を解説します。  

ブロックチェーン技術関連企業

ブロックチェーン技術は、暗号通貨にとどまらず、金融、物流、医療、農業などの分野で応用が進んでいます。
 
その特性により、市場規模は急速に拡大しており、ブロックチェーン技術を活用する企業の飛躍的な成長が期待されています。

グローバルブロックチェーン市場は、2021年の49億ドルから2030年には1,690億ドルに成長すると予測されています。

これは年平均成長率(CAGR)が45%以上と驚異的な成長速度です。
 
さらに、世界経済フォーラムの調査によると、2027年までに世界のGDP(国内総生産)の10%がブロックチェーン技術に関連すると予測されています。
 

仮想通貨取引所運営企業

仮想通貨取引所は、取引手数料、上場手数料(新規仮想通貨の取引開始時に徴収される費用)、その他の金融サービスを通じて収益源を持っています。
 
例えば、大手取引所「Coinbase」は2022年に約33億ドルの収益を上げました。
 
さらに、ブロックチェーン技術の進化により、取引の安全性や処理速度が向上しており、これが市場の信頼性を高めています。
 
また、各国の規制が整備されつつあり、投資家にとって法的な保護が強化されています。

これにより、個人や機関投資家の仮想通貨市場への参入が容易になっています。
 

マイニング関連企業

マイニング企業とは、ビットコインなどのデジタル通貨の取引データを検証・承認し、ブロックチェーンという分散型台帳に記録する役割を担う企業のことです。
 
マイニング企業への投資は、ビットコインの半減期や最新のAI技術の活用、さらには環境に配慮したエネルギー効率の改善などにより、将来的な収益性の向上が期待されています。
 
注目すべきは、2024年4月に実施されたビットコインの半減期です。
 
新規発行されるビットコインの量が半分になるイベントで、過去の傾向から仮想通貨価格の上昇を促す要因となり得るため、マイニング企業の業績改善に期待が集まっています。
 
また、マイニング企業の株価はビットコイン価格と密接な関連性を持っており、仮想通貨市場の動向が企業の業績に直接反映される傾向があります。
 

デジタル通貨市場に対する投資戦略

ここでは、デジタル通貨に投資をする際の具体的な投資戦略を2つ紹介します。  

異なる企業に分散する

異なる企業(ブロックチェーン技術企業、暗号資産取引所、マイニング企業)に分散投資することは、資産の運用リスクを抑えつつ、長期的な成長機会を捉えるための効果的な方法です。

なぜなら、デジタル通貨市場の「成長性」と「変動性」の両面に対応できるからです。
 
ブロックチェーン技術は、暗号資産だけでなく、金融、サプライチェーン管理、医療記録の管理など、幅広い分野での応用が期待されています。
 
金融分野では決済の迅速化や仲介コストの削減、サプライチェーンでは製品追跡の透明性向上などが実現可能です。
 
暗号資産の価値が下落しても、ブロックチェーン技術を活用した別の分野で成功を収める企業があれば、投資ポートフォリオ(資産の組み合わせ)全体としての安定性を保つことができるでしょう。
 

ドルコスト平均法を活用し、価格変動のリスクに備える

ドルコスト平均法は、一定の金額で定期的に資産を購入することで、購入価格を平均化し、価格変動の影響を抑える投資手法です。
 
価格の乱高下が激しい(ボラティリティが高い)デジタル通貨市場において、ドルコスト平均法は感情的な判断を避け、安定した投資を可能にします。
 
市場のタイミングを見計らう必要がなく、計画的な購入を通じて投資を行うため、投資家の感情に左右されにくいのが特徴です。
 
例えば、1万円を毎月投資する場合、価格が高い時期には少ない数量を、低い時期には多い数量を購入することになります。

これにより、長期的には平均購入価格を下げる効果が期待できます。
 

まとめ

デジタル通貨市場は急成長を続け、2032年には169億5,000万米ドル規模に達すると予想されています。

ビットコインETFの承認や中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発が株式市場に影響を与え、ブロックチェーン関連企業や仮想通貨取引所、マイニング企業への投資機会が拡大しています。
 
この傾向から、デジタル通貨とそれに関連する技術が金融市場全体に大きな変革をもたらすことが予想されます。
 
一方で、高いボラティリティや規制の不確実性など、リスク要因も存在します。
 
分散投資やドルコスト平均法の活用など、リスク管理を意識した投資戦略を練るようにしましょう。
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