ETFとは?投資信託との違いメリット・デメリットを徹底解説

ETF(上場投資信託)が注目を集めていますが、実際ETFがよく分からない方も多いのではないでしょうか?
 
今回の記事では、ETFとは何か、基本から投資信託との違い、そしてメリット・デメリットまで分かりやすく解説します。

さらに、ETF投資を成功させるための注意点もお伝えします。
 
ETFの魅力は、低コストで幅広い銘柄に分散投資できる点にあります。初心者でも、プロ並みの分散投資が可能になるのです。
 
この記事を読めば、ETFの謎が解け、あなたの投資の選択肢が広がります。より賢明な投資判断ができるようになるでしょう。
 

ETF(上場投資信託)とは?

ETFとは正式名称を上場投資信託といいます。株式市場で取引できる特別な種類の投資信託です。わかりやすく言えば、たくさんの株をまとめて一つのパッケージにしたようなものです。
 
ETFの大きな特徴は、日経平均株価やTOPIXといった、有名な株価指数の動きに合わせて資産が運用されることです。つまり、一つのETFを買うことで、その指数に含まれる多くの企業の株を一度に手に入れたのと同じような効果が得られるのです。
 
ETFを購入する方法は、株を買うのとほとんど同じで、証券取引所を使いETFを自由に売ったり買ったりすることができます。
 

ETFと投資信託の違い 

ETFと投資信託は、どちらも複数の銘柄に分散投資できる金融商品ですが、いくつかの重要な違いがあります。以下では、ETFと投資信託の主な違いについて、詳しく見ていきましょう。  

取引方法の違い 

ETFは株式を買うのと同じように、証券取引所でリアルタイムに売買することが可能です。
 
価格は市場の動きに応じて常に変動し、投資家はその時々の価格で取引できます。
 
一方、一般的な投資信託は少し異なります。株式のように常に価格が変動しているわけではありません。

その代わりに、1日に1回、決まった時間に価格が決定されます。この価格のことを「基準価額」と呼びます。
 

コスト面での違い

ETFは投資信託と比較して、通常より低いコストで運用できます。主な理由は以下の2点です。
 

  1. 管理手数料が低い
  2. 運用の効率性が高い

 
これらの理由により、ETFは長期的な投資において投資信託よりもコスト面で優位性を持つ傾向があります
 
具体的な数字で見てみると、2022年の時点で、インデックスETFの平均コストは0.16%であったのに対し、アクティブ運用の投資信託の平均経費率は0.66%でした。この差は投資期間が長くなるほど大きな影響を与える可能性があります。
 

ETFのメリット 

ETFは個人投資家にとって魅力的な投資手段として注目を集めています。   ETFには数多くの利点が存在しますが、ここではメリットについて解説します。  

分散投資ができる 

ETFは、投資家が手軽に分散投資を実現できる金融商品であり、リスクを低減しながら資産運用を行うことが可能です。
 
ETFは特定の指数に連動するように設計されており、その指数に含まれる複数の銘柄に同時に投資することができます。そのため、個別銘柄に投資する場合と比較して、リスクを分散することが容易です。
 
ETFは、株式、債券、コモディティなど、さまざまな資産クラスに投資することができます。例えば、日経平均株価やS&P500などの指数に連動するETFを購入することで、その指数に含まれる全ての銘柄に分散投資することができます。
 

リアルタイムで取引可能

ETFの優れた特徴として、取引所でリアルタイムに取引できる点が挙げられます。
 
この特性により、投資家は市場の動向に即座に反応し、好機を逃すことなく投資判断を下せるようになります。
 
株式と同様に、ETFは取引所に上場されているため、営業時間内であればいつでもスムーズな売買が可能です。これにより、投資家は刻々と変化する市況に柔軟に対応できるようになります。
 
例えば、リーマン・ショックのような事態が発生した場合を想像してみましょう。

通常の投資信託では、基準価額が確定するまでの間に市場価格が大きく変動する可能性があります。
 
しかしETFなら、取引時間内であれば即座に注文を出して約定価格を決められるため、潜在的な損失を抑制しやすくなります。
 

豊富な投資対象

ETFを通じて、投資家は株式や債券、商品、通貨など、さまざまな分野に資金を振り分けることができます。

1つのETFを購入するだけで、複数の投資先に手を伸ばせるのです。
 
株式市場の動きに連動するものもあれば、債券や不動産投資信託(REIT)に焦点を当てたものもあります。さらに、金や原油といった商品に特化したETFも存在します。
 
米国株式に投資したい場合は米国株ETF、インド経済に注目する場合はインド株ETFを選ぶことが可能です。
 

指値注文や信用取引が可能


ETFは指値注文や信用取引で、自分の希望する価格で取引を行うことができます。また、信用取引を利用することでレバレッジを効かせた投資が可能です。
 
希望する価格で売買を行うため、投資家は市場の変動に対して柔軟に対応できるでしょう。
 
信用取引を利用することで、少ない元手で大きな取引ができるため、相場の上昇や下落に対して効率的に利益を狙うことができます。
 

ETFのデメリット

ETFには多くの利点がありますが、投資家が注意すべきいくつかのデメリットも存在します。

以下では、ETF投資において考慮すべき主な欠点について詳しく見ていきます。
 

自動積立投資が難しい

ETFは自動積立投資が難しいため、投資家にとって手間がかかることがあります。
 
ETFは市場価格を見ながら購入者自身が売買を行うため、毎回決まった金額での自動積立投資サービスを利用できないケースが多いです。
 
多くの証券会社では、投資信託に対しては自動買付機能を提供していますが、ETFについては提供していない場合が多いです。

そのため、投資家は毎回自分で購入手続きを行う必要があります。
 

複利効果が得られにくい

ETFのデメリットとして、複利効果が得られにくい点が挙げられます。
 
ETFが主に値上がり益を目的とした投資商品であり、配当や分配金が少ない傾向にあるからです。

複利効果を得るためには、定期的な収益の再投資が重要ですが、ETFではこの機会が限られているでしょう。
 
例えば、毎月一定額を投資する「ドルコスト平均法」を適用しにくく、市場のタイミングを見計らって手動で購入する必要があります。
 

ETF投資の注意点

いくらETFの手数料が低いからといっても、頻繁に取引を行うと、売買手数料が累積し、投資信託よりもコストが高くなる可能性があるため、注意が必要です。
 
投資信託にも手数料がかかりますが、投資信託の手数料は一度の購入時に発生することが多く、頻繁な取引を前提としないため、長期保有する場合のコストはETFよりも低くなることが多いです。
 
例えば、証券会社での国内上場ETFを毎月10回取引する場合、1回の取引手数料が100円とすると、月に1,000円、年間で12,000円の手数料がかかります。

一方、投資信託であれば、購入時手数料が1%であっても、年間の取引回数が少なければ手数料負担はETFよりも低く抑えられる可能性があります。
 

まとめ

ETF(上場投資信託)は、証券取引所に上場され、株式のようにリアルタイムで取引できる投資信託です。

分散投資効果があり、低コストで運用できるメリットがあります。
 
一般的な投資信託と比べて取引の柔軟性が高く、多様な資産クラスに投資できます。

ただし、自動積立が難しく、複利効果を得にくいデメリットもあります。
 
ETF投資では、長期的な投資目標と取引頻度を考慮し、コスト面での優位性を活かせるか慎重に判断しましょう。
 
分散投資とリスク管理に優れたETFは、多くの投資家にとって有効な選択肢となり得ます。自身の投資戦略にETFを組み込むことを検討してみてはいかがでしょうか。
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