【徹底比較】S&P500とオルカンの違い!メリット・デメリットを解説

株式投資を始めたいけれど、どの商品を選べばいいか迷っていませんか?

S&P500とオルカン(全世界株式)は、初心者にも人気の投資商品ですが、違いがわからない人も多いと思います。
 
本記事では、この2つの商品の特徴、メリット・デメリットを徹底比較し、あなたに合った選択肢を見つけられるでしょう。
 
S&P500は米国経済の動向を反映し、オルカンは世界中の株式に分散投資するという違いがありますが、どちらがあなたの投資目標に合っているでしょうか?

リスクとリターンのバランス、地理的分散、手数料など、様々な観点から両者を分析し、初心者でも理解しやすいように解説します。
 
この記事を読むことで、自信を持って投資商品を選択し、長期的な資産形成の第一歩を踏み出すことができるでしょう。
 

S&P500とは

S&P500とは、アメリカを代表する500社の株価をもとに算出される指数です。
 
この指数は米国株式市場の時価総額を約80%をカバーしており、米国経済全体の動向を反映する指標として広く認識されています。
 
代表的な構成銘柄は「アップル」「マイクロソフト」「テスラ」などの大手テクノロジー企業が上位を占めています。
 

オルカン(全世界株式)とは

オルカンとは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の愛称として知られています。
 
オルカンの特徴は、世界中の株式市場に幅広く投資する投資信託です。
 
具体的には、約50カ国の株式市場から厳選された およそ3000銘柄に分散投資を行います。
 
投資先の構成を見ると、アメリカ合衆国の株式が全体の約60%を占めています。

これにより、世界経済の中心である米国市場の成長だけでなく、他の新興国にも投資ができる戦略を取っています。
 

S&P500のメリット

ここでは、S&P500のメリットを紹介します。  

米国経済と比例して成長してくれる

S&P500は米国を代表する500社の株価指数で、国全体の経済動向を映し出します。
 
例えば、米国経済が好調で成長を続ければ、S&P500も同じように上昇する傾向が見られます。
 
興味深いことに、過去30年間の統計を見ると、S&P500の成長率は米国のGDP(国内総生産)成長率の約2倍のスピードで伸びてきました。
 

手数料は低コストで0.1%未満

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は0.09372%以内と、年間手数料が0.1%未満です。 出典:SBI証券|S B I 証券個人型確定拠出年金 運用商品一覧  
手数料が低コストになる理由は以下の3つです。
 

  1. 銘柄選択が不要なインデックス運用方式を採用
  2. 大規模な資金運用による経済効果が働いている
  3. 運用会社間の競争激化で手数料の引き下げが進んでいる

 
これらの理由で手数料が安くなった投資信託は、長期的に資産を増やしたい人にとって、とても魅力的な選択肢になっています。

少ない負担で投資を始められるので、初心者の方にもおすすめです。
 

米国企業500社に分散できる

S&P500は様々な業種の企業を含んでいます。情報技術やヘルスケア、金融など11セクターの企業を含むため、幅広い分散投資が可能になります。
 
つまり、ある業種が苦戦していても、別の業種が好調であれば、全体としてバランスが取れるのです。

これが「分散投資」の考え方です。
 
さらに、S&P500には大きな会社だけでなく、中くらいの規模の会社も含まれています。
 
具体的には、会社の価値が約146億ドル(日本円で約1兆5000億円)以上の企業が対象となります。アップルやマイクロソフトのような巨大企業から、あまり聞いたことがない企業まで幅広く含まれているのです。
 

S&P500のデメリット

ここでは、S&P500のデメリットを紹介します。  

市場平均以上のリターンが見込めない

S&P500は米国株式市場の約8割を占めています。

この指数に連動する投資商品を購入すれば、実質的に市場全体へ投資しているわけです。
 
500社への分散投資により個別銘柄のリスクは軽減されますが、大きな上昇は期待しづらくなります。
S&P500は市場全体の動きを表すため、平均以上の利益を得るのは難しいでしょう。
 

米国市場への集中リスク

S&P500は米国企業のみで構成されています。

そのため地理的な広がりに欠け、米国経済の変動に大きく左右されます。
 
米国特有のリスクにさらされやすく、グローバルな分散投資には適していません。
円高ドル安時には、為替変動により大きな損失を被る可能性があります。
 
過去の事例では、2008年のリーマンショックや2020年のコロナ禍でS&P500は大幅に下落しました。

このように、S&P500への投資は米国市場への集中リスクが高く、グローバル分散投資の観点からは不利な面があります。
 

オルカンのメリット

ここでは、オルカンのメリットを紹介します。  

新興国市場にも投資ができる

新興国への投資には興味深い特徴があります。

新興国の市場は、アメリカや日本などの先進国の市場とは異なる動きをすることがあります。
 
このような特徴を活かして、投資先を先進国と新興国に分散させることで、投資全体のリスクを減らすことができるのです。
 
オルカンは、このような新興国の発展から利益を得る機会を投資家に提供しています。

世界経済において、中国やインドなどの新興国の存在感が高まっている今、これらの国々への投資は、将来の成長を見据えた選択肢の1つです。
 

S&P500に比べてリスク分散効果が高い

オルカンは世界47カ国の約3000銘柄に幅広く投資します。

先進国と新興国を含む地域分散で、高いリスク分散効果が期待できます。
 
オルカンに対し、S&P500は米国大型株500銘柄のみが対象です。
 
投資範囲や銘柄数から見ると、オルカンのほうが分散効果は期待できるでしょう。
 

オルカンのデメリット

 ここでは、オルカンのデメリットを紹介します。  

S&P500に比べて、リターンが低くい

指数は、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500と比べると、長期的な収益率が低い傾向にあることがわかっています。
 
主な要因は以下のとおりです。
 
・アメリカ以外の国々の経済発展が遅れている  ・新興国の株式市場は価格の変動が激しく、安定性に欠ける ・アメリカの企業は国際的な競争力が高く、収益性も優れている
 
2023年のデータでは、S&P500の年間平均収益率は23.3%だったのに対し、オルカンの年間平均収益率は19.6%でした。
 
この結果から、2023年においてS&P500の方がオール・カントリーよりも約3.7%高い収益率を記録したことがわかります。
 

新興国市場に対するリスク

新興国への投資は、先進国と比べて政治経済の不安定さに大きく影響されます。
 
クーデターや政治体制の急変、厳しい規制導入、政府の債務不履行などのリスクが存在します。これらの要因により、株価や為替の変動が激しくなる傾向があります。
 
過去には中国株式市場の急落や、ロシアによるウクライナ侵攻にともなう経済制裁が投資家に大きな影響を与えました。
 

S&P500とオルカン(全世界株式)の組み合わせはNG!

S&P500もオルカンも、大半が米国企業の株式です。
 
つまり、これら2つを組み合わせても、実質的には同じような市場に投資していることになります。そのため、分散効果は期待できません。
 
選ぶ際は、S&P500かオルカンのどちらか一方を選んで投資することをおすすめします。
両方に投資するよりも、どちらか1つを選んでその動向をしっかり把握する方が、投資の理解を深める上でも効果的でしょう。
 

まとめ

今回は、S&P500とオルカン(全世界株式)の特徴、メリット、デメリットを比較しました。   S&P500は米国経済と連動し、低コストで500社に分散投資できる一方、米国市場に集中するリスクがあります。
 
オルカンは新興国を含む世界約3000銘柄に投資でき、リスク分散効果が高いものの、S&P500よりリターンが低い傾向にあります。
 
両者は米国企業が中心のため、組み合わせての投資は避け、どちらか一方を選択することが賢明です。
自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、S&P500かオルカンのいずれかを選び、長期的な視点で投資を行うことをおすすめします。
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