あなたに合うのはどっち?アクティブ・パッシブ運用の特徴を解説
とくに「アクティブ運用」「パッシブ運用」という言葉を聞いて、頭を抱えてしまった経験はありませんか?
投資の世界で成功するカギは、自分に合った投資方法を見つけること。そのためには、アクティブ運用とパッシブ運用の違いを理解し、それぞれの特徴を把握することが不可欠です。
今回の記事では、この2つの運用方法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
具体的には、各運用方法の特徴、メリット・デメリット、リターンとリスク、手数料の違い、そして適している投資家のタイプまで、幅広くカバーします。
本記事でわかることは以下のとおりです。
- アクティブ運用とパッシブ運用の違いを自信を持って説明できる
- 自分の投資目標やリスク許容度に合った運用方法を選択できる
- 長期的な資産形成の戦略を立てられる
投資は、適切な知識があれば決して難しくありません。ぜひ挑戦してみてください。
アクティブ運用とは、市場平均より高い収益を目指す投資方法
アクティブ運用は、運用会社が専門知識と分析力を活用する投資手法です。運用会社の専門家が市場の動向を詳しく調査し、割安な株式や成長が期待できる企業を見つけ出します。
アクティブ運用の目標は、株式市場全体の平均収益率を上回る運用成果を達成することです。
パッシブ運用とは、市場全体の動きに合わせて投資する方法
パッシブ運用は、低コストで市場平均並みの利益を得られる可能性が高いため、多くの投資家に支持されています。パッシブ運用では、TOPIX(東証株価指数)などの特定の指数に合わせて投資を行います。
個別の株式銘柄を選択したり、市場の動向を予測したりする必要がないため、運用にかかる費用を抑えることができます。
具体的な例として、TOPIXに連動するインデックス・ファンドがあります。TOPIXに連動するインデックス・ファンドは、東京証券取引所に上場している2,100社以上の企業の株式に幅広く投資し、TOPIXと同様の値動きを目指します。
このような投資方法により、投資初心者でも簡単に分散投資を実現できます。
アクティブ運用の投資手法
アクティブ運用には、いくつかの手法があります。主な方法を紹介します。- 個別銘柄分析:企業の財務状況や成長性を詳しく調べ、割安な株を見つけ出します。
- セクター配分:成長が期待できる業種に重点的にお金を振り分けます。
- タイミング戦略:市場の上がり下がりを予測し、資産の配分を調整します。
- 裁定取引:市場の値段の歪みを見つけて利益を得ます
これらの手法に対して「長期的には市場平均を超えるのは難しい」という意見もあります。
しかし、適切な銘柄選びやリスク管理で、より高い収益を生み出すことは可能です。
パッシブ運用の投資手法
パッシブ運用は、特定の市場指数(ベンチマーク)に連動した投資成果を目指す手法です。
パッシブ運用の主な方法は以下の3つです。
- 指数構成銘柄の完全複製 TOPIXなどの指数を構成する全ての銘柄を、指数と同じ割合で購入します。
- 最適化法 指数の一部の銘柄だけを選んで購入し、全体として指数に近い動きを再現します。
- 合成法 デリバティブ取引という特殊な取引を使って、指数の動きを模倣します。
パッシブ運用のメリットは、低コストで運用でき、投資対象が明確で分かりやすいことです。
パッシブ運用の具体例として、ETF(上場投資信託)があります。例えば、TOPIXに連動するETFを購入すれば、日本の株式市場全体に幅広く投資できます。
この方法なら、個別の株を選ぶ必要がなく、市場全体の成長を狙えるので、初心者の方にもおすすめです。
アクティブ運用のリターンとリスク
多くの研究によると、アクティブ運用の平均的な成績は、手数料を引くとパッシブ運用を上回ることができていません。しかし、一部のアクティブファンドは高い成績を出しています。
つまり、適切に選べば、パッシブ運用以上の利益を得られる可能性があるのです。
高成績のアクティブファンドを見つけるには、「アクティブシェア」という指標が役立ちます。これは、ファンドの銘柄構成が基準となる指数とどれだけ違うかを示すものです。
アクティブシェアが高いファンドほど、基準を大きく上回る可能性が高いとされています。
ただし、アクティブ運用にはより高いリスクもあります。市場全体が下がる時期には、アクティブ運用の方が良い成績を出す傾向があります。
これは、下落相場でポートフォリオを守る能力があることを示しています。
たとえば、株式市場の収益率が10%以上の好況時には、基準を上回るアクティブ運用戦略は3分の1程度しかありません。つまり、上昇相場ではアクティブ運用が苦戦しやすいのです。
パッシブ運用のリターンとリスク
パッシブ運用の基本的な考え方は「市場の効率性」です。効率的市場仮説によると、株価にはすでに様々な情報が反映されているため、長期的に市場平均を上回る利益を得ることは難しいとされています。
パッシブ運用の具体例として、インデックスファンドやETFがあります。
これらは日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するよう設計されており、多くの投資家に利用されています。
低コストで市場平均並みの利益を得られるのが特徴です。
まとめると、パッシブ運用は少ない費用で市場平均程度の利益を目指す投資方法です。
長期的には、多くの積極的な運用(アクティブ運用)よりも良い結果を出す傾向があります。
「アクティブ運用」と「パッシブ運用」手数料の違い
アクティブ運用の手数料は、パッシブ運用よりも高くなります。その理由は、アクティブ運用では専門家の知識や分析が必要だからです。アクティブ運用の目標は、市場平均を上回る収益を得ることです。
そのために、個別の株を選んだり、売り買いのタイミングを判断したりします。
アクティブ運用には、専門知識を持つアナリストやファンドマネージャーが必要で、彼らの人件費や調査費用がかかります。
一方、パッシブ運用は市場全体の動きに合わせることを目指します。
そのため、個別の株の分析や頻繁な売買が不要で、運用にかかる費用を抑えられます。
たとえば、日本の投資信託では、アクティブ型の株式ファンドの年間手数料は約0.5%~2.5%程度です。
これに対し、パッシブ型のインデックスファンドは年率0.1%~0.3%程度と、大きな差があります。
適している投資家のタイプ
アクティブ運用は高いリターンを求め、リスクを取れる投資家に向いています。アクティブ運用の魅力は、高いパフォーマンスを出すファンドが存在することです。
これらのファンドは、他の投資家と同じ行動を取らず、銘柄間の値動きの差が大きい時期に強みを発揮する傾向があります。
一方、パッシブ運用は、安定したリターンと低コストを重視する投資家向けです。
長期的な資産形成や退職後の安定収入を目指す方にとって、魅力的な選択肢となります。
まとめ
アクティブ運用とパッシブ運用は、投資戦略の2大アプローチです。アクティブ運用は専門家の知識を活用し、市場平均を上回る収益を目指しますが、高コストとリスクがともないます。
一方、パッシブ運用は市場全体の動きに連動し、低コストで安定した収益を狙います。
両者にはメリット・デメリットがあり、投資家の目標やリスク許容度によって選択が分かれます。長期的にはパッシブ運用が優位とされますが、一部のアクティブファンドは高い成績を出しています。
投資を始める際は、自身の目標と特性を考慮し、適切な戦略を選択することが重要です。
まずは、少額からパッシブ運用を始め、徐々に知識を深めていくのがおすすめです。