知って得する!投資初心者のためのコーポレートガバナンス徹底解説

投資に興味を持ち始めた方のなかで「コーポレートガバナンス」という難しそうな言葉を聞いて、「えっ、なんだそれ?」と首をかしげたことはありませんか?
 
「コーポレートガバナンス」は私たちの投資判断にとってとても大切な考え方なんです。
簡単に言えば、会社の運営の仕方や、重要な決定をどのように下しているかということです。
 
本記事では、コーポレートガバナンスの基本から、それが株価や企業価値にどう関わるのか、さらには投資戦略にどう活用できるのかを分かりやすく解説します。
 
優れたコーポレートガバナンスを持つ企業を見極めることで、長期的に安定した投資リターンを得られる可能性が高まります。

本記事を読めば、投資初心者の方でも、企業の質を見抜くための新たな視点を得られ、より賢明な投資判断ができるようになるでしょう。
 

コーポレートガバナンスとは|経営者を監督する仕組み

コーポレートガバナンスとは、大きな会社を正しく運営するための仕組みです。

会社の社長や役員たちが、適切に仕事をしているかを確認する方法だと考えてください。
 
コーポレートガバナンスがあることで、会社の中で問題が起きにくくなります。
 
たとえば、会社のお金を無駄遣いしたり、危険な商品を売ったりすることを防ぎます。

コーポレートガバナンスは、会社が健全に成長し、多くの人から信頼されるために重要です。

この仕組みによって、会社で働く人も安心して仕事ができるようになります。
 
結果として、会社は長期的に良い方向に進み、お客さんからの信頼も高まります。
 

なぜコーポレートガバナンスが重要なのか

会社をきちんと運営する点でのメリットは以下のとおりです。
 

  1. 会社の中身が見えやすくなる 
 
会社の情報をはっきり公開すると、みんなが会社のことをよく理解できます。

例えば、お菓子の原材料をしっかり表示すれば、買う人も安心です。
 

  1. 関係する人々の権利を守る

 
株主さんや従業員さん、お客様など、会社に関わる人たちの利益を大切にします。

従業員の意見を聞く仕組みがあれば、働きやすい環境ができます。
 

  1. 会社の価値が長い目で見て高まる

 
今だけでなく、将来も成長できる計画を立てます。

例えば、環境に優しい製品を作る会社は、長く支持されやすいです。
 
最近の例としては、ダイハツ工業での出来事があります。

ここでは34年以上も不正行為が続き、隠されていました。

もし会社に、社員が安心して問題を報告できる仕組みがあれば、早く対策ができたかもしれません。
 
また、会社の経営体制がしっかりしていれば、このような事態は防げたと考えられます。
 

会社をより良く運営するための方法

会社をより良く運営するための方法には、おもに3つあります。
 

  1. 仕事の進め方を工夫する

 
例えば、重要な書類は必ず2人以上でチェックする仕組みを作ります。

また、会社の外部から経験豊富な人を招いて、新しい視点で会社の運営に助言してもらいます。
 

  1. 仕事のルールを明確にする

 
 会社の中でのルールをはっきりと決めて、誰でも分かるように文書にします。

日々の仕事の手順も、細かく説明した手引書を作ります
 

  1. 社員の能力と意識を高める

 
社員全員に定期的な研修を行い、仕事に必要な知識や技術を学んでもらいます。

また、正しいことを行う大切さを理解してもらうための教育も行います。
 
これらの取り組みを続けることで、会社は問題が起きるリスクを減らし、長く安定して成長し続けることができます。
 

コーポレートガバナンスの強化と株価の関係


「コーポレートガバナンスの強化」とは、会社の運営方法を改善することです。
簡単に言えば、会社を公平で効率的に運営することを意味します。

この取り組みは、結果的に株価の上昇につながる可能性があります。

その理由は以下のとおりです。
 

  1. 経営の透明性と説明責任の向上
    • 会社の活動や決定事項を分かりやすく公開します。
 
  1. 株主利益の保護
    • 株主の権利を守り、公平な利益分配を行います。
 
  1. リスク管理の強化
    • 潜在的な問題を事前に予測し、対策を立てます。
 
  1. 持続可能な成長戦略の策定
    • 長期的な成長を目指した計画を立てます。

 
これらの取り組みにより、投資家からの信頼が高まり、株価上昇につながる可能性があります。
 
東京証券取引所(日本の主要な株式市場)の調査によると、コーポレートガバナンスを重視している企業ほど、経営が安定し、企業価値が向上する傾向にあります。
 
つまり、適切な会社運営は長期的な成長につながり、株主にとってもメリットがあります。


投資初心者の方は、企業を選ぶ際に「コーポレートガバナンス」にも注目すると、良い投資先を見つける手がかりになるかもしれません。
 

コーポレートガバナンス評価を活用した投資戦略

コーポレートガバナンスの質は、企業の長期的成功と投資リターンに大きな影響を与えます。
優れたガバナンス体制を持つ企業を見極め、投資に活かす戦略が必要です。

ここでは、ガバナンス評価を活用した効果的な投資アプローチを2つ紹介します。
 

ポジティブスクリーニング

ポジティブスクリーニングは、ESG投資手法の1つです。    
上記の面で評価が高い企業や業種を、積極的に投資先として選ぶ戦略を指します。
 
とくに、コーポレートガバナンス評価を活用したポジティブスクリーニングが、効果的な投資戦略として注目を集めています。
その理由はおもに2つあります。
 

  1. 企業価値の長期的な向上

 
優れたコーポレートガバナンスを持つ企業は、長期的に企業価値が上がる可能性が高いです。
なぜなら、適切なガバナンス体制は以下の効果をもたらすからです。
   
  1. 情報開示の質の向上
 
ガバナンスの質が高い企業は、情報開示の質も高い傾向にあります。

これにより、次のような良い影響が期待できます。
 
 
実際の例として、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の取り組みがあります。

GPIFは運用会社を選ぶ際の評価項目に、ESGインテグレーション(ESGの要素を投資判断に組み込むこと)を含めています。
 
その中でも、ガバナンス評価を重視しています。
 

ネガティブスクリーニング

ネガティブスクリーニングも、ESG投資手法の1つです。
 
ネガティブスクリーニングでは、特定のESG基準を満たさない企業や産業分野を投資対象から外します。
 
ネガティブスクリーニングのメリットは、リスクの高い企業を避けることで、投資全体のリスクを減らせることです。
企業統治(ガバナンス)の質が低い会社は、長期的に価値が下がったり、問題を起こしたりする可能性が高いです。
 
そのため、こうした企業を除外することで、投資の成果を上げることが期待できます。
 
具体的には、決めた基準に基づいて企業を評価し、基準を満たさない企業には投資しないというものです。
 
実際の例として、多くの大きな投資機関が企業統治の評価を投資の判断材料にしています。
 
たとえば、以下のような点を見ています。
 

  1. 取締役会のメンバー構成
  2. 経営陣の報酬の決め方
  3. 株主の権利がどれだけ守られているか

 
このように、ネガティブスクリーニングは、リスクを減らしながら、社会的責任のある投資をおこなう方法の1つです。
 

まとめ

コーポレートガバナンスは、企業を適切に運営する仕組み作りです。
 
経営の透明性向上や関係者の権利保護を目指し、長期的な企業価値の創造につながります。
 
具体的な取り組みは以下のポイントがあげられます。
 

  1. 業務プロセスの改善
  2. 明確なルールの設定
  3. 社員教育の充実

 
適切なガバナンスは株価上昇の可能性も高めていくでしょう。

投資家は「ポジティブスクリーニング」や「ネガティブスクリーニング」といった手法を用いて、ガバナンスの質を評価しています。
 
優れたガバナンス体制を持つ企業は、長期的な成功と安定した成長が期待できます。

企業選びや投資を行う際は、コーポレートガバナンスの質を重要な判断基準の1つとして考慮しましょう。
 
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