キャピタルゲインとインカムゲインの違い!メリット・デメリット解説
投資による収益は二通りに分類でき、それぞれがあなたの資金運用の方針に影響を及ぼす可能性があります。
今回の記事では、キャピタルゲインとインカムゲインの違いを詳しく解説し、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく説明します。
さらに、あなたの投資目標に合わせた最適な戦略の選び方についても触れていきます。
本記事を読めば、投資の基本的な仕組みを理解し、自分に合った投資方法を選択する力が身につきます。
初心者の方でも安心して投資を始められるよう、具体例を交えながら丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
キャピタルゲインとは|保有していた資産の売却で得られる売買差益
資産の売買差益を指すのがキャピタルゲインです。具体的には、資産を低価格で入手し、その後より高い価格で手放すことで生じる収益を意味します。とくに株式市場や不動産取引にみられます。
たとえば、1万円の株を100株購入し、1株2万円になった時点で売却すると、100万円の利益が発生します。これがキャピタルゲインになります。
インカムゲインとは|金融商品や資産の保有で定期的に得られる収益
インカムゲインとは、投資から得られる定期的な収入を指します。たとえば、株式からの配当金、債券の利息、不動産の家賃などが含まれます。
インカムゲインを増やすには、以下の方法があります。
- 配当金の多い株を買う
- 債券に投資する
- 不動産を所有して家賃収入を得る
- 利回りの高い投資信託を選ぶ
- リスクを抑えるために様々な投資先に分散させる
これらの方法は、安定した収入が長期的に期待できます。インカムゲインは、資産の価格変動の影響を受けにくい特徴があります。
具体的には、「配当金の多い株」や「不動産投資信託(REIT)」があります。
これらは比較的高い定期収入が見込める投資先として人気です。
キャピタルゲインとインカムゲインの違い
「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」は、投資戦略を立てるうえで重要です。資産の成長を目指すか、定期的な収入を得るか、それぞれに特徴があります。
ここでは、この2つの収益タイプについて、収益の発生タイミングとリスクの違いを説明します。
収益の発生タイミング
キャピタルゲインは、持っている資産の価値が上がって売った時に得られる利益です。しかし、実際に売るまでは利益は確定しません。
一方、インカムゲインは資産を持っているだけで定期的に入ってくる利益です。株の配当金や不動産の家賃収入などが該当します。
不動産投資を例にすると、物件の値上がりを狙うのがキャピタルゲイン重視、安定した家賃収入を目指すのがインカムゲイン重視の投資となります。
リスクの違い
キャピタルゲインは資産価値の上昇による利益を得る手法は、市場の変動に依存するため、不確実性が増す傾向にあります。一方、インカムゲインは安定した収入を目指すので、リスクは低めです。
ただし、インカムゲインにもリスクがないわけではありません。
たとえば、会社の業績が悪くなって配当金が減ることもあります。しかし、このリスクはキャピタルゲインと比べると小さいです。
株式投資を例に考えると、キャピタルゲインを狙う人は株価の上下に敏感に反応して売買を繰り返します。
インカムゲインを狙う人は、長期的に安定した配当が期待できる会社の株を持ち続けます。
つまり、キャピタルゲインは「大きな儲けの可能性と大きな損失のリスク」、インカムゲインは「安定した収入と比較的小さなリスク」になるでしょう。
キャピタルゲインのメリット
キャピタルゲインのメリットは以下のとおりです。- 市場の変動を活用できる
- 少ない資金でも利益を狙えやすい
- 大きな利益を得られる可能性がある
ただし、注意点もあります。価格変動のリスクが高いので、適切な投資戦略と市場分析が必要です。
キャピタルゲインのデメリット
キャピタルゲインのデメリットは、大きな損失を被る可能性があることです。たとえば、株価が急に下がったり、投資先の会社が倒産したりする可能性があります。
その結果、投資したお金が減り、最悪元本がなくなってしまう可能性があるでしょう。
理由は、キャピタルゲインが資産の価値変動に左右されるからです。
経済危機や感染症の流行など、予想外の出来事で株価が急落し、資産価値が大きく減ることがあります。
また、キャピタルゲインは売るまで利益が確定しません。
値上がりしていても、売る時に価格が下がっていれば損失になってしまいます。
多くの投資家が損をするのは、キャピタルゲインによる予想の難しさが原因です。
例えば、リーマンショックやコロナショックの時、多くの投資家が大きな損失を経験しました。
これらの出来事は、キャピタルゲインを目指す投資の危険性を示しています。
インカムゲインのメリット
インカムゲインのメリットは以下のとおりです。- 比較的安全
- 長期的な資産運用に向いている
- 老後の収入源になりえる
上記のように長い期間続けると、得た収入をさらに投資することで、少しずつですが確実に資産が増えていきます。
具体例として、アパート経営があります。アパートを所有していれば、毎月家賃収入が入ってきます。
建物の価値が変わっても、この収入は安定して続きます。
このように、インカムゲインは地道ですが、長期的に見ると安定した資産形成の方法といえます。
インカムゲインのデメリット
インカムゲインのおもなデメリットは、一般的に低リターンであることです。インカムゲインが比較的安全で安定した投資方法であるため、リスクが低い分、得られる利益も限られるからです。
たとえば、銀行預金の利息や国債の利回りは非常に低く、インフレ率を下回ることもあります。
「安定性があるから低リターンでも問題ない」という意見もありますが、長期的な資産形成を考えると、インフレに負けない収益率の確保が重要です。
さらに、インカムゲインは税制面でも不利な点があります。
配当金や利子所得は通常、他の所得と合算されて総合課税されるため、税負担が高くなる可能性があります。
投資戦略の違い
値上がり益を追求するキャピタルゲインは、短期間で大きな収益を得ることを目標としますが、同時に危険性も増大します。対照的に、配当や利子収入に重点を置くインカムゲインは、長期にわたって一定の利益を目指し、危険を最小限に抑えようとする特徴があります。
資産価値の増加による収益と、継続的な収入源からの利益は、収益を生成するメカニズムがことなります。
キャピタルゲインは資産価値の上昇による売却益を狙います。一方、インカムゲインは資産保有中の配当や利息の収益を重視します。
キャピタルゲイン戦略は市場変動を活用して大きな利益を得られる可能性がありますが、タイミングの見極めが難しく、損失リスクも高いです。
インカムゲイン戦略は安定性と予測可能性を重視しますが、インフレーションへの脆弱性や成長機会の逸失という課題もあります。
たとえば、株式投資では成長株の短期売買でキャピタルゲインを狙う戦略と、高配当株の長期保有でインカムゲインを得る戦略があります。
まとめ
キャピタルゲインとインカムゲインは、投資戦略において二つの重要な収益源です。キャピタルゲインは、保有する財産を売却する際に生じる利益を目指すもので、大きな利益の可能性と引き換えに高い危険性をともなうのが特徴です。
一方、インカムゲインは定期的な収入を重視し、安定性があります。
投資家は自身の目標とリスク許容度に応じて、キャピタルゲインとインカムゲインをうまく組み合わてみてください。
長期的な資産形成には、両者のバランスを考慮し、分散投資を行うことをお勧めします。
投資を始める際は、まず自分の投資スタイルを見極め、適切な戦略を選択しましょう。