インフラ投資の拡大|日本の社会基盤による再構築と経済効果を解説

これにより、私たちの日常生活が便利になったり、企業の活動がスムーズに進んだりする効果が期待できます。
また、地球環境に優しいエネルギーへの移行やコンピューター技術の発展により、日本では大きな市場が生まれています。
本記事では、投資を始めたばかりの方にも理解しやすいよう、インフラ投資がもたらす経済への影響について解説します。
インフラ投資とは|私たちの生活を支える社会基盤への投資

景気が悪い時期に政府がこうしたインフラへの投資を増やすことで、建設資材の需要が高まり、新しい仕事が生まれやすいです。
このように、インフラ投資は単に建物を作るだけではありません。
社会全体の土台を強くし、長く続く発展を支える大切な取り組みだと言えます。
なぜ今「インフラ投資が拡大」しているのか?

環境に優しいエネルギーへの転換と安定供給の確保
世界各国の政府は2050年までに「カーボンニュートラル」(二酸化炭素の排出量と吸収量を均衡させる)目標を掲げています。これにともない、石油や石炭などの「化石燃料」に依存した設備から、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」を基盤とした設備への転換が急がれています。
また、国際エネルギー機関(IEA)によれば、2030年までに世界全体で年間1.5兆ドル(約150兆円)の投資が必要だと予測されています。
インフラ投資の流れを加速させているのは、「ESG投資」(環境・社会・企業統治に配慮した投資)の広がりです。
日本では東京証券取引所に「インフラファンド市場」が開設され、現在5つの銘柄が上場しました。
物価上昇に強く、安定した収益が見込める
公共料金(電気・ガス・水道などの生活必需品の料金)は物価上昇に合わせて調整される仕組みがあります。そのため、インフラを運営する企業は料金を見直すことで、物価が上がっても実質的な収入減を防ぐことができるのです。
この特徴は、株や債券とは違った形で資産価値を守る働きをしています。
継続的な物価上昇が予想される経済環境では、インフラ関連の投資は過去50年間で平均7.6%の実質的な収益を生み出しました。
デジタル化の進展と物流網の見直しなど社会の大きな変化
新興国での都市化が進むにつれて、2040年までに約94兆ドルの社会基盤整備が必要になると予測されています。この背景には、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能を活用したモノのインターネット技術(AIoT)の広がりにより、扱うデータ量が急激に増加したことがあります。
日本政府は、東京に集中していたデータセンターを地方に分散させたり、海の底を通る通信ケーブルの経路を複数確保したりと、情報のやり取りを災害などにも強くする取り組みを行っています。
また、物流の分野でも自動化された倉庫システムや電気自動車のトラック導入が広がっています。
2025年度の予算では、物流を効率化するための施策全体に6,299億円が割り当てられました。

日本国内におけるインフラ投資の現状

環境・エネルギー分野:2050年までに240兆円市場へ成長見込み
日本政府が推進するカーボンニュートラル政策を背景に、環境・エネルギー分野のインフラ投資が2050年までに240兆円規模に拡大する見通しです。主な要因として、海の上に建てる風力発電(洋上風力発電)と、水素を製造・輸送・利用する一連の流れ(水素サプライチェーン)への集中投資が挙げられるでしょう。
特に海に浮かべるタイプの風力発電技術(浮体式洋上風力)の実用化が進んでおり、2040年までに発電コストを半分にできる見込みが市場拡大を後押ししています。
経済産業省によれば、環境技術革新を促進するための資金(2兆円規模の研究開発投資)が、2035年までに民間からの投資を10倍に引き出すと予測されています。
実際、2024年度に始まった長崎県沖の洋上風力発電基地では、地元企業と欧州メーカーの技術連携により、風車の発電効率(タービン効率)が従来より20%向上する実証結果が得られました。
IT・デジタル分野:企業の60%がIT基盤整備への投資を考えている
IDCの調査によると、デジタル技術を中心にビジネスを展開している企業の60%がIT基盤整備への投資が重要だと考えています。こうした企業は従来型の企業と比較して、より積極的な投資意欲を示しています。
とりわけ、計算処理を高速化する機能を備えたクラウドサービスの導入率が52%に達するなど、最新技術の活用が広がっているでしょう。
経済産業省の分析では、2027年度までに民間設備投資115兆円という目標を達成するには、デジタル関連の基盤整備にお金を配分することが必要です。
従来の社会基盤:最新技術で民間企業のビジネスチャンスが広がる
政府の長期戦略では2050年までに民間投資を4.2倍に拡大する目標を掲げています。そのため、海上に設置する風力発電(洋上風力発電)やデータセンター分野で民間主導のプロジェクトが急速に発展しています。
光と電気を組み合わせた新技術(光電融合技術)やAIを活用したインフラ管理システムが従来コストを40%削減する事例が報告されています。
具体例では、電力分野にある新型の高効率太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)の実用化です。
ペロブスカイト太陽電は、既存設備の効率化を促進しており、自治体と連携した小規模な水力発電の仕組みが地域経済の活性化につながっています。
日本インフラ大手企業のゼネコン・設備メーカーの成長性は?

2024年度の政府予算では、災害から国民を守るための防災インフラ整備費が前年度と比べて9%増加しました。
また、地球温暖化対策として環境に優しい社会を実現するための再生可能エネルギー設備への投資が、製造業全体の設備投資増加率18.8%を押し上げています。
このように、インフラ関連企業は安定した上昇傾向を示しており、長期投資家からの評価も高まっています。
まとめ
今回は、インフラ投資の現状と展望について解説しました。道路や橋、電気・水道などの生活基盤への投資(インフラ投資)は、私たちの暮らしを向上させ、経済発展を支える取り組です。
日本における、環境・エネルギー分野は2050年までに240兆円の市場成長する見込みで、IT・デジタル関連も46兆円規模へと広がっていくと予測されています。
今後は、従来の公共工事中心から民間企業が主導するプロジェクトへと需要が変わっていくでしょう。
そのため、大量のデジタル情報を保管・処理する施設(データセンター)や、太陽光・風力などの自然エネルギーを生み出す設備の建設がさらに加速していくと考えられます。
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