【金市場の見通し】2025年の投資戦略と価格予測を解説

金(ゴールド)は経済不安や市場の変動から資産を守る「安心できる資産」として世界中で注目されている投資対象です。
 
2025年3月には金価格が過去最高値を更新し、1グラムあたり16,144円になりました。
 
これには国際関係の緊張、円安などの通貨価値の変動、世界的な物価上昇(インフレ)が大きく影響しています。
 
本記事では金市場の最新の動きを解説しながら、少額から始められる金関連の株式や上場投資信託(ETF)を活用した実用的な投資方法をご紹介します。
 

最新の金相場動向:2025年3月は過去最高値を更新

金相場は2025年3月に過去最高値を更新し、上昇の流れが続いています。
 
最新の情報によりますと、3月27日時点での1グラムあたりの小売価格は16,144円、買取価格は15,975円となりました。これは前日と比べて75円の上昇です。
 
また、金価格の上昇傾向は2023年から目立つようになりました。
 
同年3月には1グラムあたり9,000円に達しています。その後も値上がりが続き、同年8月には国内の小売価格が史上初めて1グラムあたり1万円の壁を突破しました。
 

金価格が上昇する3つの要因

 

戦争や紛争による地政学的リスクの増加

戦争勃発の懸念が広がると、株式や債券などの金融資産からより安定した価値を持つとされる金へと資金がシフトします。
 
このような現象は「質への逃避」と呼ばれています。
 
また、紛争によって物資の生産から消費者までの流れ(サプライチェーン)が混乱することも価格に影響を与えるでしょう。
 
金の主要産出国で紛争が起きれば、供給量が減少して価格が上昇する傾向があります。
 
イラン・イラク戦争では、イラクの侵攻が噂され始めた1980年3月頃から金価格が上昇し、実際の開戦時(9月)にピークを迎えました。
 

通貨価値下落と世界的インフレが金価格を押し上げる

米ドルが弱くなると、金価格は上昇しやすくなります。
 
また、他国通貨が米ドルに対して下落している場合、その国での金価格はさらに高くなる傾向があります。
 
円安の状況では、ドル建て金価格に変動がなくても、円に換算した金価格は上昇してしまいます。
 
これは、通貨の価値が下がることで輸入品の価格が上がるのと同じ仕組みで起こる現象なのです。
 
金は物品(モノ)として扱われるため、物の値段が全体的に上がる時期には、他の商品と同じように価格が上昇します。
 

低金利環境による相対的な魅力

金は利子や配当などの収入(キャッシュフロー)を生み出しませんが、その希少性と実物資産としての価値が大きな特徴です。
 
一般的に、金利が高い環境では、債券などの利息を得られる資産に投資する方が有利になります。
 
このような状況では、金への投資は他の選択肢と比べて得られる利益が少なくなる傾向があるでしょう。
 
しかし、金利が低下していく局面では状況が変わってきます。
 
債券などから得られる収益も減少するため、金を保有することで失う利益が少なくなり、金の魅力が相対的に高まっていくからです。
 
米国10年国債の金利(利回り)が15.8%という高水準を記録した1981年以降、金利が高い時期には金価格は下落傾向にありました。
 
その後、2001年頃に米国10年国債の利回りが5%を下回ると、金価格は上昇に転じ始め2004年から2005年にかけて約400ドル前後だった金価格は、1,800ドルを超える水準にまで上昇しています。
 

安全資産としての金:他の投資商品との比較

 

株式・債券・不動産との分散投資における金の位置づけ

金(ゴールド)は、株式・債券・不動産など従来型の投資先と組み合わせることで、分散投資による安定性と効率を高める資産といえるでしょう。
 
実際の投資計画においても、金が持つリスクを減らす効果は幅広く活用されています。
 
世界の株式40%、各国の国債40%、金20%で構成した資産構成は、株式と債券だけの場合と比較して、より多くの利益とより少ない損失の可能性を実現したというデータがあります。
 
日本の生命保険会社の調査結果によると、全体の資産のわずか2.5%を金に振り分けるだけでも、資金の調達状況が良くなることが明らかになりました。
 

インフレ・デフレ局面での金の資産価値

インフレ(物価上昇)の時期には、通貨の購買力が下がるため、実物資産として価値を保ちやすい金への需要が高まります。
 
一方、デフレ(物価下落)の時期には、企業の倒産リスクが増すことから、現金以外の安全な資産として金が選ばれる傾向があるのです。
 
金市場を動かす主な要因は投資家の行動で、経済に不安が広がるほど金への資金流入が速まることがわかっています。
 
過去50年のデータを分析すると、アメリカのインフレ率が3%を超える期間では、金価格の年間平均上昇率は8.2%に達しました。
 
注目すべきは、2022年のロシア・ウクライナ戦争開始後、金価格が1年間で18%も上昇し、主要な株価指数より平均12%も良い成績を示したことです。
 
またデフレ局面では、2008年のリーマンショック時に日経平均が40%も下落する中、金価格はむしろ34%上昇するという動きを見せています。
 

通貨価値変動からの資産防衛策としての効果

金が通貨の価値変動に強い理由は、世界共通の価値基準として認められているからです。
 
世界の金取引の90%はアメリカドルを基準にして行われており、日本円での価格は為替レートの変化から直接影響を受ける仕組みになっています。
 
円の価値が下がる(円安になる)と、ドル建ての金価格が変わらなくても、円に換算した場合には価格が上昇するため、日本の投資家にとっては資産を守る効果が生まれます。
 
2025年3月の時点では、1ドル=150円という水準が続いています。
 
この状況下で、過去1年間の日本国内の金価格は23%も上昇しており、円安の影響がはっきりと現れていることがわかります。
 

投資初心者には、金関連株やETFがおすすめ!

金の現物購入では高額な初期投資が必要ですが、ETF(上場投資信託)や株式なら数千円から始められるため、資金面のハードルが低くなっています。
 
また、証券口座があればスマホやパソコンから簡単に売買することが可能です。
 
歴史的に見ても金の価格は上昇傾向にあり、1970年代から2023年までに約50倍に値上がりした実績があります
 
2008年の世界金融危機(リーマンショック)や2020年の新型コロナウイルス危機の際には、株式市場が大きく下落する中でも金は価値を保ち、むしろ上昇しました。
 
これが「有事の金」と呼ばれる理由です。
 
多くの専門家は、資産全体(ポートフォリオ)の約10%程度を金関連資産に配分することをお勧めしています。
 
このようにすることで、株式や債券などの一般的な資産との分散効果が期待でき、全体のリスクを抑えながら利益(リターン)を追求することができるからです。
 

まとめ

今回は、2025年における金市場の見通しと効果的な投資戦略について解説しました。
 
金(ゴールド)は、世界情勢の不安定さ、物価上昇、為替レートの変動から資産を守る防御策として働いています。
 
様々な投資先に資金を分散させるポートフォリオにおいて、金は重要な位置を占めているのです。
 
今後も世界各地での緊張状態や、日本円の価値が下がる傾向が続くと予想されることから、金の価格は上昇し続けるでしょう。
 
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