【知らなきゃ損】日経平均株価とは?初心者が知っておくべき基本知識

投資を始めたいけれど、株式市場の指標である日経平均株価がよく分からない方も多いのではないでしょうか。

日経平均株価は、日本経済の健康状態を反映する重要な指標であり、投資を行う上で欠かせない知識です。

本記事では、日経平均株価の基本的な仕組みや計算方法、TOPIX との違いを分かりやすく解説します。

また、バブル経済が日経平均株価に与えた影響や、現在の株価動向にも触れています。

本記事を読めば、日経平均株価の基礎知識が身につき、株式投資への理解が深まります。
 

日経平均株価とは?

日経平均株価は、日本の株式市場の動向を示す代表的な指標であり、日本経済の健康状態を把握するうえで欠かせないツールです。

この指標は以下の要因を反映しています。
 
 
日経平均株価は、これらの要因を総合的に反映しているため、日本経済の現状と先行きを理解するために重要な役割を果たしています。
 
日経平均株価の算出に使用される225銘柄は、東京証券取引所第一部上場企業の中から、市場流動性や業種バランスを考慮して選定されています。

2024年4月1日時点で、東証上場企業は1,651社あり、その中から選ばれた225銘柄が日経平均の計算対象です。225銘柄は全体の約14%に過ぎませんが、日本を代表する大企業が中心であり、その株価動向は市場全体と強い相関関係にあります。
 
つまり、日経平均は日本市場の主要企業の動向を的確に捉えているため、日本経済の健全性を測る指標の一つとして、国内外の投資家から注目されているのです。  

日経平均株価の計算方法

次に、日経平均株価の計算方法を解説していきます。日経平均株価の計算式は以下の通りです。
 


日経平均株価 = (225銘柄の株価の合計) ÷ 除数

 
この式では、日経平均株価の構成銘柄である225社の株価を合計し「除数」で割って算出されます。
 
「除数」は、株式分割や併合、新規銘柄の追加や削除による株価変動を調整するために使用されます。これにより、指数が一貫して市場の動向を反映するように保たれます。
 
例えば、A社、B社、C社の3銘柄が日経平均株価の構成銘柄で、それぞれの株価が100円、400円、1000円であったとします。
 
この場合、日経平均株価は以下の計算式になります。
 


日経平均株価 = (100円 + 400円 + 1000円) ÷ 3 = 500円


 
この計算方法により、日経平均株価は日本の株式市場全体の動向を反映し、日本経済の健全性を測る重要な指標として広く利用されているのです。
 

日経平均株価とTOPIXの違い

日経平均株価とTOPIXは、日本の株式市場を代表する2つの主要な株価指数であり、それぞれ異なる方法で算出され、異なる特徴を持っています。
 
日経平均株価は株価の単純平均を基に算出されるのに対し、TOPIXは時価総額加重平均を基に算出されます。
 
以下は日経平均株価とTOPIXの比較表です。

比較表のように、日経平均株価は特定の高株価銘柄(値嵩株)の影響を受けやすく、TOPIXは市場全体の動きをより広範に反映する傾向があります。
 

算出方法の違い

日経平均株価は、225銘柄の株価の合計を除数で割ることで算出される単純平均株価を基にしています。

一方、TOPIXは浮動株時価総額加重平均で算出されます。

基準時価総額を100として、その後の時価総額を指数化する方法です。この方法では、時価総額の大きい銘柄の影響が大きくなります。
 
つまり、日経平均株価は個別銘柄の株価の変動に、TOPIXは市場全体の時価総額の変動により影響を受けやすいと言えます。
 

構成銘柄の特徴

日経平均株価は株価水準が高い「値がさ株」が上位を占める傾向があり、ファーストリテイリングや東京エレクトロンが上位に位置しています。
 
一方、TOPIXは時価総額の大きい銘柄が上位を占める傾向があり、トヨタ自動車やソニーグループが上位に位置しています。
 
過去の実績では、日経平均株価の方がTOPIXよりも高い成長率です。
 
TOPIXは長期的な安定性を重視する投資家に向いているとされますが、日経平均に比べると成長率はやや低い傾向があります。
 

日経平均株価の歴史


1980年代後半、日本は経済的な好況期を迎え、これはバブル経済と呼ばれました。

この時期の特徴は以下の通りです。
    銀行は担保価値の上昇を見込んで、積極的に融資を行った 企業や個人投資家は、将来の価格上昇を期待して不動産や株式に投資した
 
バブル経済は、資産価格の急激な上昇と、それを支える過剰な資金供給によって特徴付けられました。

しかし、このような経済状況は持続可能ではなく、バブルの崩壊は日本経済に長期的な影響を与えることになりました。
出典:有斐閣 日経平均とNYダウの推移(1983年9月~2023年1月)  

バブル崩壊

1990年に入ると、日本銀行は金融引き締め政策を実施し、金利が上昇しました。
 
これにより、企業の資金調達コストが増加し、土地価格の上昇が鈍化。その結果、株式市場も急落し、日経平均株価は1990年末に21,902円まで下落しました。
 
1992年には、日経平均株価がさらに14,000円台にまで下がり、バブル経済は完全に崩壊しました。  

バブル崩壊後の影響

バブル経済が崩壊した後、日本経済は「失われた10年」と呼ばれる長期的な停滞期に突入しました。

この期間中、多くの企業が大量の不良債権を抱え込み、経営難に陥りました。
 
また、金融機関も多数が破綻する事態となりました。
 
1997年には、大手証券会社である山一證券が自主廃業に追い込まれました。この出来事は、当時の日本の金融システムの不安定さを顕著に表しています。  

その後の回復と現状

2000年代に入ると、日経平均株価は低迷が続きましたが、徐々に回復の兆しを見せ始めました。
 
しかし、2008年のリーマンショックによって、再び7,000円台にまで急落しました。

その後、政府による金融緩和政策や経済対策が功を奏し、2020年代には再び上昇傾向に転じました。
 
バブル経済の崩壊は、日本経済に深刻な影響を及ぼしました。
 
しかしながら、その後の適切な政策対応と市場の変化によって、日経平均株価は長い時間をかけて回復の道を歩んできました。
 
現在でも、バブル崩壊の影響が完全に消え去ったわけではありませんが、日本経済には新たな成長の兆しが見えつつあります。  

34年ぶりに日経平均株価は過去最高値を更新

2024年2月22日、日経平均株価は34年ぶりに過去最高値を更新し、終値で39,098円68銭を記録しました。

この株価上昇は、以下の要素が重なった結果です。
 
 
一部の専門家からは、現在の株高がバブルではないかとの懸念も聞かれますが、1989年のバブル期と比較すると、現在の株価収益率(PER)は16.5倍と妥当な水準にあります。
 
また、株価は景気循環に先行して動く傾向があるため、現在の株高は将来の経済成長への期待を反映していると捉えることもできます。  

まとめ

今回は、投資初心者向けに日経平均株価の基本的な仕組みを解説しました。

日経平均株価は、日本の株式市場を代表する225銘柄の株価を基に算出され、日本経済の健康状態を反映しています。

1990年代のバブル崩壊後、長期的な停滞期がありましたが、徐々に回復し、2024年2月には34年ぶりに過去最高値を更新しました。

日経平均株価の動向は、日本経済の将来を占う上で重要な指標です。投資を検討する際は、日経平均株価指標の推移を参考にしてみてください。
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